【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情51 エジプトのゴム産業(後編) 加藤進一

2020年08月31日

ゴムタイムス社

 前回は、私がエジプトでタイヤの中古チューブの買い付したことやエジプトの状況などをお伝えしました。

 後編もエジプトのゴム事情をお伝えします。エジプトには、イタリアのピレリー系のタイヤ会社が1社、インドのビルラ系のカーボンブラック工場が1社あります。ちなみに、合成ゴム工場はありません。自動車生産はノックダウン生産(他国や他企業で生産された製品の主要部品を輸入し、現地で組立・販売する方式)だけですので、自動車ゴム部品の需要も多くはありません。

 エジプトは人件費が安いので、エジプトでゴム部品を生産して、ヨーロッパ市場に輸出すればいいと思われますが、政情不安もあり、なかなかエジプトに進出する企業が増えません。エジプトの人口は約1億人です。日系企業は2019年現在、52社進出しており、南アフリカ、エチオピアについで、アフリカでは3位になっています。

 仮に企業が合成ゴムやカーボンブラ

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