三井化学 「ミラストマー」を能増 新製品群の量産技術確立へ

2020年03月16日

ゴムタイムス社

 三井化学(東京都港区、淡輪敏社長)の熱可塑性エラストマー「ミラストマー」事業は、今年度は自動車生産の減速が響き計画していた10%以上の成長は難しい状況だが、「3つの新製品のマーケティングが非常に成功した」(機能性コンパウンド事業部ミラストマーグループ・寺田豪グループリーダー)ことで、事業の構造改革が飛躍的に進んだ。

ミラストマーグループ・寺田グループリーダー

ミラストマーグループ・寺田グループリーダー

 新製品である耐油ブーツ向けの新架橋TPVとエアバッグカバー向けのTPOは、今年度は対前年で25%以上販売を伸ばした。耐油ブーツ向けのTPVは、耐油性とゴム弾性に優れ、シール性も向上し、ノイズや振動を抑えるニーズにも応える。また、エアバッグカバー向けのTPOは、グローバルに採用メーカーが増えている。さらに、自動車内装の射出表皮向けTPSも、無塗装で高級な触感が得られるため新規採用が広がり、中国や欧米で評価が進む。

 ミラストマーの製品ポートフォリオの中で、これら新製品の比率は現時点で15%に達しており、今後は30%以上に高めることを目標としている。

 新製品の需要増などを受け、同社は、千葉県の三井化学サンアロイの製造拠点に50億円(建屋込み)を投じ、製造ラインを増設することを決めた。機能性コンパウンド製品群の製造能力を増強し21年度中に稼働を開始する計画で、ミラストマーが増強計画の中で大きなボリュームを占めることになる。新製品群の量産技術確立を主な目的とする。

 このほか、米国では年産6

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