年頭所感 日本ゴム工業会 池田育嗣会長

2019年01月02日

ゴムタイムス社

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年の世界経済は、年央までは概ね堅調に推移しましたが、その後米国の保護主義政策による米中貿易摩擦や新興国経済への影響など、俄に不透明となっています。

 原材料面では、天然ゴム価格は2017年に比べると低水準で推移していますが、合成ゴムをはじめとする石化原料やエネルギー価格は年初からの原油価格上昇を背景として上昇しました。また一部の薬品や天然資源については、中国での環境規制の強化による供給減少やそれに伴う市況上昇の影響を受けました。

 こうした中で国内ゴム製品の生産は、自動車生産が年央まで増加を示していることもあり、2018年は2年連続で増加の見通しとなっていますが、2019年は、予断を許さない状況も予想されます。

 ゴム製品の最大の需要先である自動車産業では、EV化のほか、自動運転やコネクティッド、カーシェアリングの普及などのソフト面でも大きな変化のただ中にあります。我々としては、こうした変化に対し、どのような影響があるのかを見極め、それぞれが自身の持つ製品や技術の強みや弱みを的確に把握し、現状にとどまることなく常に自らの技術や製品を見直していくこと、変化に対し強みに磨きをかけ、新たな可能性や価値を創出し、チャンスに変えていくことが肝要と考えます。

 一方で、テーマによっては業界として協働して対応していくことが必要となる課題もあります。当会では、これまでも地球温暖化対策、廃棄物削減、化学物質対策などの環境課題、国際規格を含む製品や技術規格の標準化、安全面や品質管理の強化、持続可能性への対応などについて業界共通の課題として対応して参りました。

 今後もこうした事業の継続は勿論、世の中の変化に対しゴム工業会としてどのような事業を行えば会員の皆様のお役に立てるのかを基本とし、情報の把握や共有に努めて活動して参りたいと考えますので、会員各位の積極的なご意見やご提案並びにご支援をお願い致します。

 年頭に当たり、会員各位の一層のご発展を祈念いたしますとともに、関係各位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げ、挨拶と致します。

 

池田会長

池田会長

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