【ベルト特集】高付加価値製品投入で市場開拓狙う

2016年09月12日

ゴムタイムス社

 ◆ゴムコンベヤベルトは低調

 ゴム搬送ベルトの需要先は、鉄鋼関連を始め、石炭、鉄鉱石などの資源開発向けが中心だ。

 コンベヤベルトの国内の需要動向を見ると、鉄鋼関連向けは粗鋼生産が1~6月で同1・1%減(日本鉄鋼連盟調べ)となるなど、低調に推移している。

 石炭や鉄鉱石についても、建築資材の高騰や公共工事の人材不足の影響により、需要回復には程遠いのが実情だ。

 さらに、海外の需要に関しては、資源開発国向けを中心に厳しい状況が続いている。

 そうしたなか、コンベヤベルトメーカー各社では、付加価値の高い製品やサービスを強化することで、需要の掘り起こしに躍起となっている。

 例えば、ブリヂストンは、ベルト単体を販売するビジネスではなく、サービス、さらに鉱山用タイヤや油圧ホースなども組み合わせてユーザーに提案する取り組みを始めている。横浜ゴムはコンベヤベルトのブランド強化を進めており、耐久性に優れた付加価値の高い「タフテックス」ブランドを市場に投入した。

 ◆食品・物流向けは堅調

 一方、樹脂搬送ベルトの主な需要先としては、食品分野と物流分野がある。少子高齢化という逆風があるにも関わらず、食品向けの需要は順調に伸びている。このため、樹脂ベルトメーカー各社では食品分野をターゲットにした新製品、営業戦略に注力している。

 ただ、ひと口に食品分野といっても製パン、製菓、食肉、鮮魚など、扱う食品の種類によって搬送ベルトが求められる機能も違ってくる。さらに絶えず塩水や油分、粉体にさらされるため傷みも早く、取り替え需要が多い。

 物流分野についても、アマゾンなどのネット通販市場の成長を背景に、大型物流施設の建設が相次いでいる。その動きに歩調を合わせる形で、物流向けの搬送ベルトの需要は堅調だ。

 今後、日々変化する需要先のニーズに対応するには、各メーカーが顧客の問題点を解決する製品やサービスを素早く提案できる体制を整えていくことが求められるだろう。

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