日本ゴム協会関東支部 施設見学会を開催

2012年09月24日

ゴムタイムス社

 日本ゴム協会は9月11日、施設見学会を開催し、今回は三菱ふそうトラック・バス㈱(神奈川県川崎市)と試験機器メーカーの日本法人、㈱アントンパール・ジャパンの2ヵ所を訪れた。
 東京駅に集合した一行はバスに乗車し一路、三菱ふそうの川崎製作所・技術センターに向かった。
 川崎製作所では会社概要などを紹介するビデオを見たあと、2班に分かれてトラックの生産ラインを見学した。通路を挟んで左側に中・大型トラックの生産ライン、右側が小型トラックの生産ラインになっており、ライン長さは中・大型が211㍍、小型は229㍍。ラインスピードは中大型が1分間に170㎝、小型は1分間に201㎝進み、艤装・組立の人員は中・大型が197人、小型は106人で完成させる。1台当たりの組立時間は中・大型は2時間4分、小型は1時間52分に設定されている。
 ライン組立はエンジンなどは別の場所で完成させており、各パーツを取り付けるだけになっており、見学当日の生産計画は中・大型は86台だった。なお、8月の生産実績は大型トラックが653台、中型トラックは766台、小型トラックは3951台、大型エンジンの組立て452台、中型エンジンは1593台、小型エンジンは3021台だったという。
 同社では安全性を高める工夫や効率的生産のために、集中的な改善活動を日頃より実施しており、現在、部品供給については1台ごとのセット払出し、序列供給を行い、すっきりしたラインの構築、部品の欠品防止、在庫適正化を図っている。また、ライン組立作業者の負担を軽減することで誤組付・未取付をなくし、品質向上を目指している。ラインには作業者のボルト締めの確認を行う検査専門スタッフも常駐していた。
 昼食後、バスは都内に向かい、品川区のアントンパール・ジャパンの試験装置の見学を行った。アントンパール社は1922年、オーストリア人のアントン・パール氏がグラーツに工房を設立したのが始まり。現在、同社は世界110ヵ国で事業を行い、グループ従業員は約1400人。
 同社の製造装置は密度測定、溶存二酸化炭素測定および物質の変形や流動挙動の解析(粘弾性測定や小角X線散乱など)分野において市場をリードしている。ユーザーは世界最大手のソフトドリンクメーカー、醸造所、石油、食品、化学、医薬産業、さらにはF1レーシングチームにまで製品供給している。
 アントンパール・ジャパンでは会社説明を聞いたあと、展示ショールームに移り、密度・比重計や飲料分析機器、粘度測定器などの技術説明を聞いた。今回の見学には理工系の大学生も参加、熱心にメモをとる姿や説明者に質問するなど有意義な見学会となった。

記念撮影(アントンパール・ジャパン)

 

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