JSR 中国での診断薬事業の合弁会社 本社工場が竣工式を開催

2012年04月17日

ゴムタイムス社

 JSR㈱は4月13日、中国・北京市に拠点を持つ診断薬メーカー、北京万泰生物薬業有限公司(万泰社)と合弁で設立した、捷和泰(北京)生物科技有限公司(捷和泰)本社工場の竣工式及び祝賀セレモニーを開催した。

 捷和泰は、ラテックス診断薬や化学発光診断薬の中間体の開発・製造・販売を行う。

 当日は、今回の合弁会社設立に携わった北京市昌平地区の行政関係者や協力会社、北京万泰生物薬業有限公司の親会社である養生堂グループ鐘淡淡会長などが参加し、盛大に式典が挙行された。

 この式典で、JSRの吉田淑則会長はグループを代表して、「急速な経済発展を達成し、社会インフラの整備が進む中国で、高度医療の進捗に大きく貢献する高度診断薬や中間体の提供は、社会的にも経済的にも重要な意味を持つ。中国のバイオメディカル分野に大きな影響力を持つ万泰社と、多くの先端材料を扱うJSRの協業によって、ビジネス拡大を図りたい」とあいさつした。

 抗原抗体反応を利用したラテックス診断薬、化学発光診断薬などの高感度診断薬は、中国の生化学診断薬市場において、癌マーカー、心疾患、内分泌ホルモンなどの診断用として年率40~50%と飛躍的な伸びを見せ、今後有望な市場に成長することが予想されている。

 捷和泰では、JSRが従来から国内外の診断薬メーカーに提供しているラテックス粒子、磁性粒子などの粒子技術を活用した診断薬の中間体の開発・製造を実施。パートナーの万泰社や、その他診断薬メーカーに向けて、2012年夏ごろから販売を開始する。万泰社の中国市場で培ってきた事業ノウハウとJSRの粒子技術のシナジー効果により、中国における診断薬事業のより一層の拡大を目指す。

 同社は、2009年より戦略事業3分野の1つとして、メディカル材料事業の事業化を進めてきた。2011年度より開始した中期経営計画「JSR20i3」の中でも、同事業を重要事業分野と位置づけている。それに伴い、2012年1月に、当該事業における企画、販売、研究開発、製造および品質保証を一体化した新会社「JSRライフサイエンス社」の設立を決定した。
 今後の事業運営には、JSRライフサイエンス社と捷和泰、欧米にある同社グループが進めるメディカル材料事業と連携、グローバルな事業体制を構築し、世界市場での動きに迅速に対応していくとしている。

竣工式

竣工式

【捷和泰(北京)生物科技有限公司の概要】

▽名称:  捷和泰(北京)生物科技有限公司
(英語名称:J and W Beijing Biotech Co.,Ltd.)
▽所在地:  北京市昌平区
▽代表者:  藤原 秀悦
▽事業内容: 診断薬の中間体の研究開発、診断薬中間体、化工品、電子製品、機械設備の卸売、等。
▽設立年月日:2012年2月8日(営業開始予定:2012年夏頃)
▽資本金:  2,500万元
▽出資比率: JSR株式会社 60%

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