東海カーボン カー黒事業は増収増益 石巻工場が6月にフル稼働

2012年02月28日

ゴムタイムス社

 東海カーボンの2011年12月期連結決算は売上高が前期比2・6%減の1049億2400万円となった。

損益面では操業度の向上やFCの売価改定効果などプラス要因もあったが黒鉛電極の売価ダウンと急激な円高により、営業利益は同1・0%減の104億6700万円、経常利益は同2・5%増の101億400万円で減収増益となった。当期純利益は同8・7%増の61億1900万円。
 カーボンブラック事業部門は昨年震災やタイの洪水による自動車生産の減少はあったものの、国内外の堅調なタイヤ生産に支えられ需要は好調に推移したが、石巻工場の震災による操業停止が続いたことにより3月以降の販売数量は減少。また販売価格については原料油価格の上昇に対応した改定を実施した。この結果カーボンブラックの売上高は同0・2%増の400億7700万円、営業利益は同3・4%増の59億4200万円となった。同社は石巻工場を3月から生産を開始予定。6月にはフル稼働を目指す。
 炭素・セラミックス事業部門の売上高は同6・0%減の498億5800万円となり、営業利益は前期比9・1%増の44億4700万円となった。
 黒鉛電極は世界粗鋼生産は月産1億トンを超える高い水準で推移し、電極需要も回復基調をたどるなか、北米向け販売数量は伸長したがアジア向けは減少。また採算重視に努めましたものの、販売価格は円高の影響もあり国内外ともに低水準で推移した。この結果黒鉛電極の売上高は同17・4%減の309億5400万円となった。
 またファインカーボンの売上高は同21・7%増の189億400万円となり、震災による国内販売の一時的な減少は見られたものの、顧客の生産復旧等による需要の急回復や中国、韓国他アジアを中心とした太陽電池、半導体などの各業界の旺盛な需要により販売は好調だったが第4四半期に入り中国、韓国の太陽電池他の急激な市況悪化と円高の影響により海外向けの売上高は急減した。
 工業炉および関連製品事業部門の売上高は同4・0%減の54億100万円となり、営業利益は同14・4%増の11億2500万円。
 2012年の業績予想は売上高が前期比8・6%増の1140億円、営業利益が同4・5%減の100億円、経常利益がと横ばいの101億円、当期純利益は同5・2%減の58億円とし、昨年実施したタイの子会社の能力増強、石巻工場の再稼働でカーボンブラックの販売増加が寄与すると見込んでいる。

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