旭化成セラピューティクスらが追加承認取得 補体(C3)阻害剤のエムパベリ

2026年08月26日

ゴムタイムス社

 旭化成セラピューティクスとSwedish Orphan Biovitrum Japanは8月24日、補体(C3)阻害剤「エムパベリ皮下注1080mg」(一般名ペグセタコプラン)について、このたび新たな適応として、「C3腎症、一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎」の承認を取得したと発表した。
 今回の承認によりエムパベリは、12歳以上のC3腎症、一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎の小児患者にも使用可能となる日本で初めての補体阻害剤となる。これにより、これまで治療選択肢が限られていた小児を含む患者に、新たな選択肢を提供する。
 エムパベリは、補体蛋白C3及びC3bに結合し、補体カスケードの上流を阻害するPEG化ペプチドとなる。日本では、2023年に発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬として承認され、Sobi Japanが製造販売元、旭化成セラピューティクスが発売元として提供している。
 C3腎症、一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎は、補体経路の異常な活性化が病態に深く関与する、希少かつ重篤な進行性の腎疾患となる。これらの疾患では、腎糸球体へのC3沈着などが疾患活動性を示す重要な所見の一つとされており、補体の過剰な活性化により腎臓の炎症や組織障害及び腎機能低下が進行する可能性がある。患者は、持続的な蛋白尿、血尿、浮腫、腎機能低下などを呈し、病状が進行すると透析又は腎移植を必要とする末期腎不全に至ることがある。
 これらの疾患は、患者数が極めて少ない希少疾患である一方、若年層を含む幅広い年齢層で発症し、長期にわたり患者と家族の生活に大きな負担をもたらす。また、腎移植後にも再発が認められることがあり、疾患の根本的な病態に着目した治療選択肢が求められてきた。これまで、これらの疾患に対しては疾患特異的な治療薬が限られており、腎機能の維持と疾患進行の抑制に向けたアンメットメディカルニーズが存在していた。
 今回の承認は、C3腎症又は一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎の患者を対象にエムパベリの有効性及び安全性を評価した国際共同第Ⅲ相試験(VALIANT試験)の結果等に基づくものとなる。同試験は、12歳以上のC3腎症又は一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎の患者を対象とした、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、多施設共同試験で、124例(日本人3例を含む)が組み入れられた。同試験において、エムパベリ群は26週時点でプラセボ群と比較して尿蛋白/クレアチニン比を68・1%低下させ、主要評価項目を達成した。また、推算糸球体濾過量(eGFR)で評価した腎機能については、プラセボ群との差がプラス6・3mL/min/1・73m²であり、腎機能の安定化が示された。
 さらに、腎生検でベースラインからC3c染色が2段階以上減少した被験者の割合が、プラセボ群では11・8%であったのに対し、エムパベリ投与群では74・3%とだった。安全性については、これまでに確認されているエムパベリの安全性プロファイルと概ね一貫していた。
 今回の承認により、エムパベリは、C3腎症、一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎の患者に対する新たな治療選択肢となる。両社は、腎臓内科、小児腎臓内科、病理診断をはじめとする医療関係者と連携し、疾患認知の向上、早期かつ適切な診断、ならびにエムパベリの適正使用の推進に取り組むことで、これらの希少・難治性腎疾患に苦しむ患者に貢献していく。

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