横浜ゴム参画の研究が成果発表 ゴムノキ病害抑制に貢献

2026年08月26日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは8月24日、同社が協力会社として参画する国際共同研究「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発」の成果が8月1日、横浜市立大学で開催された市民講座「世界を巡るゴムノキの歴史と国際連携による葉枯れ病対策」において、研究代表者である松井南氏の講演を通じて発表した。
 同研究はゴムノキの病害抑制により天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指すもので、外務省と文部科学省の支援のもと、科学技術振興機構(JST)、国際協力機構(JICA)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されている国際共同研究となる。理化学研究所をはじめとした日本の研究機関と、世界第二位の天然ゴム生産国であるインドネシアの研究機関を中心とした産官学からなる体制で実施している。
 現在、インドネシアでの葉枯れ病の感染拡大がゴム生産に深刻な被害を与えており、同研究では殺菌剤による葉枯れ病菌の駆除などにより、インドネシアの天然ゴム生産の90%以上を担う小規模農園での生産安定化を目指している。
 2020年の研究立ち上げ以来、これまでに殺菌剤のスクリーニング・選定、ゴム研究所のテスト農地、企業農園でのフィールド評価などを経て、2025年9月よりターゲットである小規模農園でのフィールド評価を開始した。同社は各フェーズにおいて天然ゴムへの殺菌剤の混入の有無、殺菌剤が天然ゴムの特性や加硫物性に与える影響を調査するなど品質保証に貢献し、殺菌剤を適切に散布・使用すれば品質に影響を及ぼさないことを確認してきた。予定していた全てのフィールド評価で有効性が実証され、同研究は今後、インドネシアにおける殺菌剤の登録など、実用化に向けたフェーズへと本格的に移行する計画となる。
 同社は「持続可能な天然ゴムの調達方針」の中で、小規模農家を含むサプライチェーンに関わる方々への支援を掲げており、同研究への参画により、天然ゴムの生産および農家の収入の安定化に貢献する。なお、SATREPSの研究課題では天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す「未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究」にも連携機関として参画している。
 同社はサステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げ、事業活動を通じた社会課題への取り組みにより、共有価値の創造を図っている。
 同研究の具体的課題は、ゴムノキ葉枯れ病に対する新規殺菌剤の候補化合物の開発、ゴムノキ葉枯れ病に対する新規微生物殺菌剤候補の微生物製剤の開発、ゴムノキ葉枯れ病抵抗性クローンの作出、人工衛星およびドローンデータを用いたゴムノキ病害罹患地域検出システムの開発、インドネシアの次世代ゴムノキ病害抑制に係わる研究開発および社会実装基盤の構築となる。

市民講座での講演の様子

市民講座での講演の様子

松井南氏(左)と共同研究者で慶應義塾大学助教の栗原恵美子氏

松井南氏(左)と共同研究者で慶應義塾大学助教の栗原恵美子氏

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー