アメリカ・イスラエルがイランに軍事攻撃を開始してから1カ月が経過した。イランが対抗措置として、ホルムズ海峡を事実上封鎖するなか、中東湾岸諸国からの輸出される原油・ナフサの調達環境は著しく不安定化・不透明化している。
中東情勢長期化の様相が漂う中、ナフサ由来を主原料とするゴムやエラストマー、樹脂原料メーカーからは中東情勢を一因とした原料価格の値上げや供給制限を通達する動きが広がっている。旭化成は3月31日、BR、SBR、SBS、SEBS、SBラテックスについて4月1日出荷分より値上げを実施するほか、東ソーは3月31日、ペースト塩ビ樹脂について4月21日納入分より現行価格から値上げすると発表。三菱ケミカルは3月30日、C4誘導品製品を4月1日出荷分から値上げするほか、クラレは3月24日、液状ゴムや熱可塑性エラストマー関連製品について4月16日出荷分からグローバル価格の改定を実施すると発表した。
こうした原料を仕入れるゴムホースやゴムシート、樹脂ホースメーカーからは、取引先に原材料調達や製品供給に影響が及ぶ可能性があることを示唆する動きが相次いでいる。
十川ゴムは3月27日「弊社が使用する合成ゴム・樹脂・薬品類など一部原材料の入手について、各仕入先より遅延や価格上昇が発生する可能性について言及があった。現時点で具体的な弊社の生産対応および製品供給に重大な支障は生じていないが、今後の情勢次第では、原材料の調達遅延、一部製品の供給リードタイムの延伸、生産計画の調整等が避けられない可能性がある」としている。
マクセルクレハは3月30日「弊社製品に使⽤している原材料の調達で輸送の不安、納期遅延や数量制限などの兆しが⾒え始めている。現時点では、在庫の確保に努めており、直ちに供給が停⽌する状況ではないものの、今後の情勢次第では、納期遅延と供給量の制限、回答済納期の調整や量の変更のお願い、調達コストの上昇、価格改定のお願いが発生する可能性がある」とコメントした。
ナガセルータックやトヨックス、八興、十川産業など樹脂ホース各社も中東情勢に伴う供給見通しについてHP等を通じてアナウンスしている。各社では原料メーカーおよび関係各社と緊密に連携し、安定供給の維持に最大限努めていく。しかし、万が一供給制約が顕在化した場合は速やかに情報共有を行い、顧客との協議の上、納入計画の調整など誠意を持って対応するとしている。
