古河電気工業は2月25日、植物由来の樹脂を使用した無架橋低発泡ポリプロピレンシート「エフセル」を開発したことを発表した。
一般的な低発泡ポリプロピレンシートでは、バージン材の使用が主流だが、近年は環境に配慮した製品に関する要望が増加している。文具や梱包材、緩衝材など幅広い用途で使用される無架橋低発泡ポリプロピレンシート エフセルシリーズにおいても、再生材を使用(RCグレードでは50%以上)するなど、環境に配慮した製品の開発に取り組んできた。
同社が長年培ってきた組成開発技術を活かして、再生材の使用率を従来品(RCグレード)の50%から60%へ高めるとともに、植物由来樹脂を20%使用した無架橋発泡体の実機試作に成功した。また、試作ラインにおいては植物由来樹脂を100%使用した無架橋発泡体のサンプル取得にも成功した。これらの開発品は、環境配慮が求められる電子機器や医療機器の部材にも用いることができる。なお、2製品とも本年中に量産化する計画。
同社の従来品(RCグレード)と比較したときの製品単位当たりのCO2排出量は、開発品①(再生材60%・植物由来樹脂20%)は約7%削減、開発品②(植物由来樹脂100%)は約22%削減される。なお、従来品(RCグレード)と開発品2品を製造するAT・機能樹脂事業部門平塚工場(神奈川県平塚市)では、2022年10月より、使用する全電力をグリーン化している。
エフセルは、独自の押出ガス発泡技術による無架橋低発泡ポリプロピレンシート。なめらかな表面性、軽量性、加工性の良さから主に文具ファイルの表紙や通い箱の仕切り材、スペーサ、養生材、筐体など様々な用途で使用されている。
同社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めている。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献する。