BRエタノール技術実用に向け 積水化学、実証プラント完成

2022年04月12日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は4月11日、同社とINCJ、積水バイオリファイナリー(SBR)が、同社と米国ベンチャー企業ランザテック社が共同開発した、微生物を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する技術(BRエタノール技術)の実証事業の実施、技術検証及び事業展開を行うことを目的として、岩手県久慈市にて建設を進めてきた実証プラントが竣工したと発表した。

 竣工式は8日、遠藤譲一久慈市長をはじめ地域の代表者、同社代表取締役社長の加藤敬太氏、同社取締役専務執行役員経営戦略部長の上脇太氏、INCJ代表取締役の志賀俊之氏などが参加して行われた。

 同実証プラントは、同社及び経済産業省が所管する官民ファンドであるINCJが共同で設立したSBRが建設した。また、環境省委託事業による⽀援を受けている。

 実証プラントにおいては、BRエタノール技術の実用化・事業化に向けた最終段階の検証を行うため、スケールアップ時の技術検証、システム最適化、安定稼働の確認、事業性の確認などを行う計画となっている。標準的な規模のごみ処理施設が処理するごみの10分の1程度の量(約20t/日)を久慈市から譲り受けて原料とし、エタノールを生産する。

 同社は住友化学と協業し、エタノールをエチレンに、さらにはプラスチック(ポリオレフィン)に変換するループの構築を進めていく。このプラスチックを消費材製造者に利活用してもらい、その商品が利用され廃棄される際に回収し、再びBRプラントに戻すことで何度も繰り返すことが可能な資源循環を構築することを目指す。そのためには幅広い参加者(企業、自治体、消費者、公官庁など)との共同作業が必要であり、広く持続可能な社会への共感創造を進めたいとしている。

 同社は、同実証プラントにおける実証試験と並行して、自治体や民間企業とのごみ原料供給協議やエタノール需要家との協議を進め、2025年度頃のBRプラント商用初号機導入を目標に、事業化を目指すとしている。

 

実証プラントが岩手県久慈市に完成①

実証プラントが岩手県久慈市に完成①

実証プラントが岩手県久慈市に完成②

実証プラントが岩手県久慈市に完成②

新しい資源循環社会システム

新しい資源循環社会システム

竣工式の様子①

竣工式の様子①

竣工式の様子②

竣工式の様子②

 

 

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