デンカ シンガポールにライフサイエンス研究開発拠点

2016年07月27日

ゴムタイムス社

 デンカは7月26日、健康・ライフサイエンス分野初の海外研究拠点となる「デンカ・ライフ・イノベーション・リサーチ・プライベート・リミテッド(DLIR)」を、シンガポールのバイオポリスに設立することを決定したと発表した。

 デング熱やジカ熱など熱帯感染症の関連製品や、昨年、子会社化したアイコン・ジェネティックス社の「マグニコン」を用いたワクチン研究など次世代製品の開発を中心に進めていく。

 DLIRは「デンカ・ケミカルズ・ホールディングス・アジア・パシフィック・プライベート・リミテッド(DCHA)」が全額出資。資本金は200万米ドルで約2億1000万円(105円/ドル)。設立は7月25日。開所は来年2月を予定している。

 シンガポールは国の研究開発政策として、活力あるバイオメディカル・サイエンス研究体制の強化のため、バイオ研究ハブのバイオポリスを建設し、内外の研究機関や企業の誘致を進めている。

 バイオポリスにはシンガポール科学技術庁(A*STAR)のバイオ研究機関のほか、世界のバイオ関連企業の研究部門が集結して、官民連携を深めながら先進的な研究が行われている。

 デンカは現在、機能樹脂、エラストマーなどの高分子分野でA*STARとの共同研究を進めており、今回のDLIRの開設により、ライフサイエンス分野でも新たな連携を推進していく方針だ。

 同社グループは、成長が期待されている健康・ライフサイエンス分野へ資源を集中して、従来からの事業であるワクチン、検査試薬、ヒアルロン酸製剤などに加えて、がん、遺伝子検査、健康診断などの新たな領域に注力している。

 「ライフイノベーション研究所」(東京都町田市)に続き、シンガポール・バイオポリスに研究開発拠点を設けることで、先進的かつグローバルな研究を担う人材を確保・育成するとともに、オープンイノベーションをより一層推進、加速させる。

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