住友理工の16年3月期 営業利益が5割増加

2016年05月10日

ゴムタイムス社

 住友理工の2016年3月期連結決算は、売上高が4244億8500万円で前期比5・9%増、営業利益は128億6700万円で同57・3%増、税引前利益は118億9600万円で同84・4%増、親会社の所有者に帰属する当期利益は29億100万円で同154・3%増となった。

 自動車用品では、国内市場は軽自動車を中心に自動車販売台数が低迷した。しかし、新型車種の立ち上げに伴って内装品の販売が好調だったほか、昨年から量産を開始した、燃料電池(FC)自動車のFCスタック向けゴム製シール部材の販売などもあり、売上高は前年の実績を上回った。

 海外市場では、良好な経済や原油安などを追い風に、自動車販売が好調に推移した北米、小型車優遇税制により販売が好転した中国で売上高が増加した。

 これらの結果、自動車用品の外部顧客への売上高は3691億4900万円で同7・3%増となった。営業利益は売上高の増加に加え、前期にアンヴィス社の事業構造改善費用を計上したこともあり、116億4900万円で同105・6%増となった。

 一般産業用品では、産業資材関連製品のうち建設・土木機械向け高圧ホースは、中国の景気減速を受けてインフラ需要が大きく落ち込み、前期の実績を下回った。一方、住宅部門では地震対策用制震ダンパーや、集合住宅向け遮音デバイスなどの販売が国内市場で底堅く推移し、前期の実績を上回った。

 IT関連製品では、プリンター向け機能部品など事務機器向け精密部品分野で、中国や新興国市場におけるプリンター消耗部品の販売が落ち込み、低調に推移した。

 以上の結果、一般産業用品の外部顧客への売上高は、553億3600万円で同2・8%減、営業利益は中国市場低迷による稼働率低下、新設会社の立ち上げコスト増加などが収益を圧迫し、12億1800万円で同51・5%減となった。

 2017年3月期通期の連結業績予想は、売上高が4100億円で前期比3・4%減、営業利益が135億円で同4・9%増、税引前利益が125億円で同5・1%増、親会社の所有者に帰属する当期利益が50億円で同72・4%増を見込んでいる。

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