産業技術総合研究所は8月18日、同センターの量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(GーQuAT)天谷康孝チーム長、貝沼雄太研究員、物理計測標準研究部門 村松秀和研究員、先進パワーエレクトロニクス研究センター 加藤宙光研究チーム長、東京科学大学 工学院 電気電子系 岩﨑孝之教授、量子科学技術研究開発機構 大島武センター長らが、ダイヤモンド量子センサーを用いて、交流・直流の電流比を同じ装置構成で高精度に評価できる「電流比較器」を開発したことを発表した。
電流比較器は、発電設備や送配電設備などで使われている電流計測機器の校正を支える装置である。交流と直流では測定原理が異なるため、従来は交流電流比用と直流電流比用に異なる電流比較器が用いられており、校正体系も別々に整備されていた。両者を統一的に扱える計測技術や校正体系を確立することが、信頼性の高い電流計測をより広く効率的に社会に普及させる上での課題であった。
本研究では、電流による磁束をダイヤモンド量子センサーで検出する構成により、交流電流比および直流電流比の両者を同じ装置構成で高精度に評価できることを示した。また、従来の交流電流比測定に用いられる電磁誘導に基づく検出コイルが不要になったことで、電流比較器の中心部分の小型化にも成功した。これにより、従来は別々であった電流計測機器の校正体系の共通化や効率化につながり、再生可能エネルギーなどの普及によって交流・直流が混在する次世代電力網における電流計測の標準化への貢献が期待される。
なお、この技術の詳細は、2026年8月11日に「Scientific Reports」に掲載された。
