旭化成が入社式開催 工藤社長「腰を据えて全力で」

2026年04月03日

ゴムタイムス社

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
 本日より、新たに旭化成グループの一員となられた348名の新入社員の皆さんを、当社グループ全体で心より歓迎いたします。

 今年の入社式も、延岡、神保町(東京)、富士、守山、水島と国内5つの地区および製造拠点にてハイブリッド形式で開催されることとなり、全国各地で新たな仲間を迎えられることを心より嬉しく思います。
 特に、延岡会場である野口遵記念館で参加されている皆さんの中には、初めて延岡の地を踏んだ方も多いのではないかと推察します。この延岡にて研修される皆さんはもとより、それ以外の地区で研修を受けられる皆さんも、各拠点で築かれてきた歴史に触れながら、旭化成全体の歴史、そしてその歴史の中から培われてきた「企業文化」について、しっかりと学んでいただきたいと思います。

 本日は、皆さんの入社にあたり、2つの話をしたいと思います。
 まず1つ目は、旭化成グループの理念体系について、是非とも深く考えてほしいということです。そして、そこから旭化成が社会において果たすべき存在意義が何かということについても考えていただきたいと思います。
 旭化成は、2022年に創業100周年を迎えましたが、その歴史は決して順風満帆なものではありませんでした。創業者の野口遵自身も、多くの試練を乗り越え、そして戦前には海外にまでも進出して水力発電所を興すなど、最後まで挑戦し続けた生涯を過ごしました。それを支えたのは、人びとのくらしを豊かにしたいという揺るぎない志でありました。
 我々が今生きているこの世界も、過去に経験したことのないような、先が見えない不確実性の高い時代にあります。2020年のコロナ禍に始まり、2022年のロシアによるウクライナ侵攻、2023年のハマスとイスラエルによる中東情勢の急激な緊張、さらに2025年の第2次トランプ政権発足に伴う関税問題、そして直近のイラン情勢に至るまで、国際社会は大きく揺れ動き続けています。
 こうした状況の中で、決して見過ごしてはならないことは、数多くの罪なき市民が命を落とし、日々のくらしが脅かされているという厳然たる現実です。我々が身を置く経済界も、世界の紛争の中で、戦略の変更等を余儀なくされてきました。

 さて、このような世界の情勢を踏まえ、ここで改めて旭化成のグループミッションを読み上げてみたいと思います。

 「私たち旭化成グループは、世界の人びとのいのちとくらしに貢献します。」
 今、この言葉は、皆さんにどのように響いたでしょうか。

 グループビジョンも読み上げてみます。
 『「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供していきます。」

 今読み上げたこれらのグループミッションとグループビジョンを支えているのが、グループバリューとしている、「誠実」「挑戦」「創造」であります。
 ミッション、ビジョン、バリューは、平和で安定的な世界情勢下においては、平凡なものとして受け止められがちです。しかし、現在のように多くの人びとの「いのち」と「くらし」が脅かされる現実に直面するとき、私はこれらの言葉が持つ意味の重さを改めて感じずにはいられません。今日から旭化成グループの一員になった皆さんは、是非とも、このグループ理念体系に込められた思いや意味をしっかりと考えていただきたいと思います。

 2つ目は、仕事への向き合い方についてです。
 今年に入って、30代前半の社員の皆さんとタウンホールミーティングを繰り返し行っています。その際に多く出る質問が、自分自身のキャリアプランについてです。社会人人生の中で、どのようなキャリアを重ね、自らを成長させていくのがよいかという内容です。その質問には、少し「焦り」のようなものを感じます。
 そこで私は、こう答えています。
 「まずは、目の前の仕事を精一杯やりきってほしい。新人時代から上司や先輩に食らいつきながら、それに必死に取り組み続ければ、プロフェッショナルに近い仕事ができるようになっているはずです。いくつものキャリアを短期間で経験することよりも、どれだけ1つの仕事に真剣に向き合い、本気で打ち込めたのかが、次のキャリアに強く、ポジティブな影響を与えるのです。」

 これは、いみじくも、昨日まで連載されていた日本経済新聞「私の履歴書」に元厚生労働事務次官の村木厚子さんが書いておられたことでもあります。
 新入社員の皆さんには、担当する仕事に、焦らず、腰を据えて取り組み、全力で向き合ってほしいと思います。会社も上司も先輩も、全力で皆さんを支援していきます。
 
 旭化成魂と、挑戦する気持ちを表すアニマルスピリット。この2つの意味合いを込めた言葉が、当社でいう「AーSpirit」です。これはグループメンバーがそれぞれの垣根を低くし、自らの思いを自由に言い合える企業カルチャーを旭化成が持ち続けていることをも意味しています。そのカルチャーを持った旭化成での社会人生活が、皆さんにとって、すばらしく充実するものとなり、皆さんが未来の旭化成を担われることを心より祈念して、本日の皆さんへのお祝いの言葉といたします。
 本日は誠におめでとうございます。

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