ランクセスが供給契約締結 水力発電事業者のフェアブント社

2026年01月28日

ゴムタイムス社

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは1月27日、オーストリアを代表するエネルギー企業であり欧州最大級の水力発電事業者であるフェアブント社と、今後3年間にわたるグリーン電力の供給契約を締結したと発表した。同契約により、バイエルン州の水力発電所から100%水力発電由来の持続可能な電力を調達し、同社のドイツ国内の生産拠点(ベルクカーメン、ビターフェルト、ブルンスビュッテル、マンハイムおよびヴィートマルシェン)に供給する。
 フェアブント社は2026年~2028年までの3年間、バイエルン州イン川沿いにある既存の水力発電所から、合計約20万メガワット時(MWh)のグリーン電力を同社に供給する。これは、ドイツの一般的な電力構成と比較して、約6万tのCO2削減に相当する。これにより同社は、これらの拠点で生産される製品のカーボンフットプリントを削減し、2040年までに生産段階での気候中立を達成するという同社の目標に向けて、さらに前進することになる。
 フェアブント社はバイエルン州およびバイエルン州とオーストリアの国境地域において、合計22ヵ所の流れ込み式水力発電所を運営している。設備容量は1040MW、年間発電量は5・9TWhに達し、そのうち4・0TWhがバイエルン州向けとなる。
 バイエルン州のエネルギー生産強化に向け、フェアブント社はすでに6億ユーロ規模のプロジェクトを実施・進行中であり、さらに約10億ユーロ規模のプロジェクトが計画・承認段階にある。
 環境面では、フェアブント社はバイエルン州の水力発電所において最高レベルの生態学的基準を遵守している。魚類の遡上確保、河川環境の再自然化、生息地の保全、水質改善など、水生生態系を包括的に保護するための取り組みを実施している。2030年までに、バイエルン州および国境地域向けに約1億ユーロが計上されており、そのうち約3000万ユーロはすでに実施済みとなる。
 フェアブント社は、現在ヨーロッパで最も持続可能なエネルギー生産者の一つであり、野心的な目標を掲げている。同社は2027年までに59億ユーロの投資を予定しており、持続可能なエネルギーによる未来の実現を目指している。2030年までには、約4億ユーロが生態系保全に投じられ、そのうち約2億ユーロはすでに実施されている。
 これらの取り組みには、種の保護や魚類移動の改善に加え、健全な生態系の維持、地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)への配慮、気候変動への適応が含まれる。フェアブント社は事業活動を通じて、生物多様性と自然環境の保護・維持・向上に大きく貢献している。
 同社は、2040年までの生産段階での気候中立に加え、2050年までにバリューチェーン全体(スコープ3)での気候中立を目指している。これらは、低カーボンフットプリント製品の提供などを通して実現していく計画となる。科学に基づく目標イニシアチブは、これらの目標がパリ協定の1・5℃目標に沿ったものであることを確認している。
 また同社は、CDP気候変動の「Climate A List」に7年連続で選出されている。

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