大阪大学工学研究科は12月12日、運営パートナーとして参画している「培養肉未来創造コンソーシアム」が2025年日本国際博覧会の大阪ヘルスケアパビリオンで協賛した「家庭で作る霜降り肉」ブースの内容を、全国の科学館で再現するプロジェクトを実施するため、同日より、クラウドファンディングを立ち上げると発表した。
このプロジェクトは、万博に行けなかった・万博に行ったけど見られなかった、特に若い世代や子供たちをはじめとした幅広い層の方に培養肉を見て・知ってもらい、同研究成果の意義や有用性に触れてもらうことを目的としている。プロジェクト実現には輸送などにかかる費用が必要なため、クラウドファンディングを通じて支援を募る。
「培養肉未来創造コンソーシアム」は、2023年に大阪大学大学院工学研究科・島津製作所・伊藤ハム米久ホールディングス・TOPPANホールディングス・シグマクシスにより設立された(2024年5月にZACROSが参加)。培養肉は、人口増加に伴うタンパク質の供給不足および温室効果ガス排出などによる環境問題への解決策の1つとしての可能性を持っている。同コンソーシアムは、3Dバイオプリントによる培養肉製造技術の社会実装に向けて協業しており、大阪・関西万博での展示はその活動の一環だった。
「家庭で作る霜降り肉」ブースの展示は、2025年12月上旬に大阪科学技術館で展示を開始し、その次は東京での展示を予定している。クラウドファンディングが成功したら、全国の科学館へ順次展開していく予定となる。
クラウドファンディング実施期間は2025年12月12日9時~2026年2月9日23時、目標金額・方式は、500万円・All or Nothing形式(寄付金控除型)となる。
このたびのクラウドファンディングでは、全国各地の科学館での「家庭で作る霜降り肉」ブース展示に際して必要となる輸送費および展示のメンテナンス費用を募る。1つの科学館での開催につき、およそ50万円〜100万円の費用が必要と見込んでいる。実施期間内に上記の目標金額(500万円)を超える寄付を得た場合は、第二目標金額(2000万円)を設定し、継続的な開催に必要な費用を募っていく。なお、同クラウドファンディングでは、高額寄付者に以下の還元を予定している。10万円以上は培養肉未来創造コンソーシアムの総会に参加。50万円以上は培養肉未来創造コンソーシアムの総会および大阪大学の培養肉社会実装共同研究講座の見学ツアーに参加。100万円以上は培養肉未来創造コンソーシアムの総会および大阪大学の培養肉社会実装共同研究講座の見学ツアーに参加。さらに、焼いた培養肉の香りを嗅ぐ体験に参加もできる。
2025年12月16日

