東洋紡エムシーは12月9日、同社が製造販売するPBO繊維(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維)「ザイロン」が、ヤマハが2025年10月23日に発売したハイエンドヘッドホン「YHーC3000」に採用されたことを発表した。
同社が開発した「ザイロン」は、有機繊維では世界最高レベルの引張強度、弾性率、耐熱性と難燃性を誇るスーパー繊維である。これらの優れた特性を生かして、消防服、耐熱フェルト、無段変速Vベルト、ロードバイクのタイヤ部品、スポーツ複合材料、航空宇宙分野など、様々な用途で用いられてきた。
音響用途では、これまでもヤマハのフラッグシップスピーカーや車載用スピーカーの振動板に採用され、「ザイロン」が持つ比弾性率の高さや内部損失の大きさが評価されている。比弾性率が高いと音の伝達速度が速くなり、内部損失が大きいと振動が速やかに減衰するため、後から出る音と共振せず、立ち上がりの良いクリアな音を実現する。この相反する2つの特性を高いレベルで両立することが、「ザイロン」の特徴である。



