住友ゴムが実証成果発表 AIでタイヤ材料開発を加速

2025年11月27日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業とNECは26日、NECが有するAIをはじめとした先端技術と住友ゴムの研究開発力を組み合わせて取り組んできたタイヤ材料開発における実証成果を発表した。
 両社は2030年までに変革すべき注力テーマを定め、世界的に競争力のある研究開発基盤の構築とビジネスの早期実現を目指している。
 今回、注力テーマのうち、疑似量子アニーリング技術を活用したタイヤ材料の配合予測とAIエージェントおよび材料探索ソリューションを活用した新材料の探索において先行実証を行った。
 高度な性能が求められるプレミアムタイヤ用ゴム配合の開発には、多種多様な素材の配合比率を最適化することが不可欠となっており、材料の組み合わせは数百兆通りにも増加している。
 今回実証した「疑似量子アニーリング技術を用いたタイヤ材料の配合予測」では、過去の膨大な実験データから素材の種類と配合量が材料特性に与える傾向を分析・抽出し、膨大かつ複雑な組み合わせの中から高速に最適解を導くことが可能なNECの疑似量子アニーリング技術を活用して、目標とする特性を満たす素材の種類と配合候補を網羅的に探索した。
 その結果、住友ゴムが過去に開発したプレミアムタイヤ用ゴム配合と、本探索で予測した複数の配合案の特性を比較した所、目標とする特性項目の90%以上を満たすゴム配合案を導出した。非熟練者が同等の配合案を導出する際に要する時間と比べると約95%短縮できることを確認した。
住友ゴム研究開発本部長の上坂憲市氏は「本技術を活用することで、通常タイヤからプレミアムタイヤまですべてのカテゴリーのタイヤ用ゴムの配合開発を熟練度に関わらず効率化できることが期待される」と述べた。
 もう一つの成果である「AIエージェントおよび材料探索ソリューションを活用した

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