帝人フロンティアがポリエステル繊維開発 光の反射を利用し汗ジミ防止

2025年11月20日

ゴムタイムス社

 帝人フロンティアは11月17日、独自のポリマーコントロール技術を応用することで、光の反射を利用して汗ジミを目立たせず、UVカット機能や防透性も備えた、長い夏を快適に保つポリエステル繊維「FINEHUNT(ファインハント)」を開発したことを発表した。

 「FINEHUNT」は、同社独自のポリマーコントロールおよび紡糸技術を応用し、酸化チタンを含む特殊断面の特殊ポリマーを中心部に配置した芯・鞘型のコンジュゲート構造としている。その結果、光の反射率を高めることにより、長い夏を快適に保つための以下の機能を発揮する。

 「FINEHUNT」の特長の一つ目は、「汗ジミ防止機能」となる。一般的な衣料品においては、汗(水分)が付着した部分と乾いた部分とで光の屈折率や透過率が変わり、光の反射率に違いが生じる結果、汗が付着した部分が濃く見えるため、汗ジミが目立ってしまう。「FINEHUNT」は、光を乱反射させて反射率を高めることで、濡れている部分と乾いている部分の屈折率や透過率の差を小さくし、汗ジミを見えにくくする。また、衣料品で汗ジミが目立ちやすいカラーとされているグレーやベージュなどにも効果を発揮する。さらに、加工剤を使用していないため効果は長期間持続する。

 二つ目は、「UVカット機能、防透性」で、光の乱反射により紫外線や可視光線の透過を防ぎ、UVカット機能や防透性を発揮する。このことにより、紫外線遮蔽性(JIS l 1925)は85%以上、防透性(JIS l 1923 B法)は93%以上の効果を発揮する。

 今後の展開として、一般衣料・カジュアル向けおよび、ユニフォーム用途向けの原糸および、テキスタイルにて展開を開始し、その後スポーツウエア向けなどにも展開を拡大すること、そして2026年度に5億円、2029年度に15億円の売上を目指すことを挙げている。

「FINEHUNT」を使用したポロシャツ

「FINEHUNT」を使用したポロシャツ

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