日精樹脂工業とTOYOイノベックスは11月14日、26年4月1日をもって共同株式移転の方法により両社の完全親会社のGMSグループ㈱を設立し経営統合を行うことで合意したと発表した。
なお、GMSグループの代表取締役会長兼CEOには依田穂積氏(日精樹脂工業代表取締役社長)、代表取締役社長兼COOには田畑禎章氏(TOYOイノベックス代表取締役社長)が就任予定。同グループの売上規模は約745億円を想定(両社の24年度売上高を単純合算した場合)している。
両社は成形関連機械の専業メーカーとして事業を展開しているが、両社を取り巻く環境は不透明さや厳しさを増し、顧客の支持を獲得し続けるためには、従来以上にイノベーションの重要性が高まっている。両社は互いに専業メーカーで、「成形」を通じて社会に貢献する理念を共有している等、基本的な考え方や企業文化が非常に近い。国内トップクラスでかつ、
グローバルでも高いプレゼンスを持つ企業を目指す志が一致していることも、両社の経営統合を後押しした。
両社では、経営統合により以下のようなシナジー効果を想定している。①設計技術・開発(制御系技術の内製化・統合による競争力向上、機械系部品の共有化による原価低減、技術ノウハウの共有による開発スピードアップとイノベーションの創出、機種の絞り込みによるリソース最適化、欧州リサイクル基準(DfR)にも適合する環境対応力向上。②調達(共同/集中購買によるスケールメリット享受、海外調達先の拡大・強化、調達管理オペレーションの合理化)。③製造(製造拠点の統合・相互利用による生産効率向上、検査工程自動化による納期短縮と信頼性の向上)。④販売(マーケティング機能の強化、クロスセル促進による売上拡大、製品ラインナップの充実)。⑤サービス(サービス拠点・人材の相互利用によるサービス体制の強化、
サービス部品の共通化による在庫削減)。
両社は新たに設立する共同持株会社の株式について、東京証券取引所プライム市場に新規上場(テクニカル上場)申請を行う予定。上場日は共同持株会社の設立登記日の26年4月1日を予定している。両社は共同持株会社の上場に先立ち、26年3月30日に日精樹脂工業は東京証券取引所及び名古屋証券取引所を、TOYOイノベックスは東京証券取引所をそれぞれ上場廃止を予定している。
2025年11月18日
