クラレの2025年12月期第3四半期連結決算は、売上高は5934億2400万円で前年同期比3・5%減、営業利益は463億5800万円で同37・3%減、経常利益は400億8900万円で同43・0%減、四半期純利益は227億8400万円で同51・1%減となった。
セグメント別では、イソプレンセグメントの売上高は585億100万円で同4・3%増、営業損失は21億7800万円(前年同期は55億6900万円の営業損失)となった。イソプレンケミカル、エラストマーは販売数量の増加及び販売構成の改善が進んだが、イソプレンケミカルは上期に米国関税政策の影響により需要の前倒しがあり、第3四半期はその反動により調整局面となった。また、エラストマーは米国関税政策により欧州市場等においてアジアの競合メーカーとの競争が激化した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は電気・電子用途の需要が回復し、また自動車用途での拡販も進み、販売数量が増加した。
ビニルアセテートの売上高は3013億9400万円で同4・5%減、営業利益は485億6000万円で同31・2%減となった。
ポバール樹脂は販売数量は前年の欧州向け物流の混乱に起因した特需が一巡したことに加えて、欧米中心に需要が低調となったことから減少した。利益面では在庫評価差額や原燃料価格上昇によるマイナス影響があった。なお、米国工場において、外部購入ユーティリティの供給停止や一部製造設備の不具合が発生し、製造を一時停止した。
EVOH樹脂(エバール)は食品包装用途は欧州・アジアで想定したほど販売数量が増えなかったが、自動車用途は堅調に推移し、全体として販売数量は増加した。一方で、利益面では在庫評価差額や原燃料価格の上昇によるマイナス影響があった。
25年12月期通期の連結業績予想は前回発表から修正した。売上高8100億円(前回発表8400億円、増減率3・6%減)、営業利益600億円(同750億円、同20・0%減)、経常利益530億円(同690億円、同23・2%減)、純利益230億円(同330億円、同30・3%減)を見込んでいる。
