ユニチカの26年3月期第2四半期業績は、売上高が621億4700万円で前年同期比1・0%増、営業利益は56億4400万円で同152・7%増、経常利益は48億2800万円で同319・5%増、四半期純損失は34億8700万円(前年同期は98億4200万円の損失)となった。
セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は283億6700万円で同0・9%増、営業利益は49億9600万円で同84・2%増となった。フィルム事業では、包装分野はナイロンフィルム、ポリエステルフィルムともに食料品等の価格上昇の影響を受けたが、好調なインバウンド需要もあり、販売は堅調に推移した。
工業分野は、電子材料関連の需要が好調を継続したことで販売は回復した。特に、シリコーンフリー離型フィルム「ユニピール」はサーバー向けの需要が拡大したことで販売は大きく伸長した。海外においては、中国等の安価製品との価格競争により販売面では苦戦したが、不採算販売の見直しにより、収益は改善した。この結果、事業全体で減収増益となった。
樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、産業資材用途の販売で苦戦したが、電気・電子部品用途が好調に推移し、販売の落ち込みをカバーした。機能樹脂は半導体関連に用いられる特殊素材の出荷低調の影響を受け、販売がやや減少した。前年より継続しているコストダウンや各製品の価格改定により、事業全体では増収増益となった。
機能資材事業の売上高は190億4400万円で同3・7%増、営業利益は8億5500万円で同442・8%増となった。電子材料分野を中心に幅広い用途分野で販売が回復した。また、不採算販売の見直しや各製品の価格改定が奏功し、収益が改善された結果、増収増益となった。
活性炭繊維事業では、空気浄化用途のVOC除去シートの販売は低調に推移したものの、主力である浄水用途の販売が好調に推移し、全体として売上高は増加した。
ガラス繊維事業では、産業資材分野は建築資材用途のテント・シート類を中心に概ね堅調に推移した。電気電子分野は受注が復調し、販売が大幅に増加した。電子材料分野においては、ハイエンド携帯端末向けモバイ ルメモリ用途の超極薄低熱膨張ガラスクロスおよび超極薄Eガラスクロスの販売が好調に推移した。
2026年3月期の連結業績予想は売上高は1100億円で同13・0%減、営業利益は75億円で同28・2%増、経常利益は60億円で同27・8%増を見込んでいる(当期純利益は現時点で合理的な算定が困難なため未定としている)。
