ADEKAの2026年3月期第2四半期決算は、売上高が1957億1000万円で前年同期比0・3%増、営業利益は197億6500万円で同8・0%増、経常利益は199億9900万円で同18・6%増、四半期純利益は124億1900万円で同8・1%増となった。
化学品事業の売上高は1048億円で同6・1%減、営業利益は130億円で同13・2%減となった。このうち、樹脂添加剤の売上高は494億円で同8・1%減、営業利益は50億円で同11・2%減となった。樹脂添加剤は家電、EV市況の低迷に伴う競合との価格競争激化により、欧米を中心に難燃剤の販売が低調だった。また、自動車や石油化学市場で生産が弱含む中、プラスチック製品全般に使用される酸化防止剤の販売が低調だった。一方、北米を中心に電線や住宅内装材向け塩ビ用安定剤の販売が堅調だった。
半導体材料では、前期に販売価格を改定した影響に加え、デザインルールの世代交代に伴う市場での生産調整により、先端DRAM向け高誘電材料の販売が低調だった。なお、当第2四半期よりメモリの微細化に対応した新製品の出荷を始めた。データセンター投資や生成AI搭載デバイスの需要拡大により、先端フォトレジスト向け半導体リソグラフィ材料の販売は好調だった。
環境材料では、中国経済の減速の影響を受け、自動車ゴムタイヤ向け伸線用潤滑剤、ディスプレイ用光硬化樹脂、建築塗料用反応性乳化剤の販売が低調だった。国内では廉価な海外品の流入が続き、工業用プロピレングリコール類の販売が低調だった。一方、アジアや米国で自動車エンジンオイル向け潤滑油添加剤や電子部品用特殊エポキシ樹脂の販売が好調だった。
2026年3月期通期の連結業績予想は、売上高が4410億円で前期比8・3%増、営業利益は430億円で同4・9%増、経常利益は430億円で9・3%増、当期純利益は264億円で同5・5%増を見込んでいる。
