日本ゼオンは11月12日、カネカとの間で、同社のグループ企業であるゼオンメディカルおよびリバー・ゼメックスが展開する消化器・循環器領域の医療器材事業の譲渡について合意し、11月12日に事業譲渡契約を締結したと発表した。
同社は1979年から開発を行ってきた「補助人工心臓」の販売を担うために、1989年にゼオンメディカルを設立した。その後、ゼオンメディカルは同社との連携のもと、独自の素材加工技術を磨き上げ、消化器・循環器領域において患者様に負担の少ない治療・診断デバイスを提供してきた。一方、医療現場における多種多様なニーズに対応するためには、既存デバイスの性能向上に加え幅広い製品開発・提供に応える必要があり、近年の事業成長における課題となっていた。
同社では全社戦略との適合性やシナジー、そしてベストオーナーの観点から、医療器材事業の位置付けを慎重に検討してきた。その結果、当該事業に高い技術と実績、そして広い顧客基盤を有するカネカのもとで事業展開を図ることが、取引先や患者および同事業に関わるステークホルダーにとってより適切であると判断し、同事業を譲渡することを決定した。
なお、同社は中期経営計画STAGE30で掲げる成長4分野のひとつである「医療・ライフサイエンス分野」への取り組みを重視する方針に変わりはなく、高機能材料を中心に引き続き同分野における成長ドライバ、次期成長ドライバに注力していく。そして、「選択と集中」によるポートフォリオ組み換えを推進することで資本効率の向上を図るとともに、独創的な技術・製品・サービスの提供を通じて、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献していく。
2025年11月14日
