タイヤ事業は減収減益 住友ゴム工業の1~9月期

2025年11月14日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業の25年12月期第3四半期決算(IFRS)の売上収益は8616億900万円で同1・5%減、事業利益は485億700万円で同21・1%減、営業利益は461億3300万円で同301・7%増、四半期利益は260億1300万円で同542・3%増となった。
 第3四半期は売上収益と事業利益は前年同期を下回ったが、営業利益と四半期利益は、昨年は北米で構造改革を実施した影響もあり、対前年同期比で大幅な増益となった。
 第3四半期の事業利益の増減要因を見ると、価格で186億円、直接原価で5億円、固定費で70億円の増益要因となったのに対し、原材料で95億円、数量・構成他で184億円、為替で26億円、経費で60億円の減益となりタイヤ事業で104億円の減益となった。これにスポーツで33億円の減益、産業品他で7億円の増益となり、合計で130億円の減益となった。
 セグメント別では、タイヤ事業の7401億7800万円で同1・1%減、事業利益は409億2100万円で同20・0%減となった。
 国内新車用タイヤは、前年同期に一部自動車メーカーで減産があったことなどもあり販売本数は前年同期を大きく上回った。国内市販用タイヤは昨秋に廉価品を下市した影響に加え、オフテイク品の受注減が影響し、前年同期を下回った。
 海外新車用タイヤは中国を中心にアジア圏における自動車メーカー向けが大きく減少。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では消費者の節約志向が一段と高まるとともに、中華系大手ブランドが価格攻勢を強めるなか、収益性を重視した販売に注力し、前年同期よりも販売本数が減少した。欧州はファルケンブランドの強みであるオールシーズンタイヤを拡販できたが、他社が価格攻勢を強めるなか、採算を重視したことや、英国の市況悪化による販売減もあり、全体の販売は前年同期から微減。米州は北米で主要顧客との取引条件変更に伴い一時的に売上が計上されなかったことや、関税影響の販売価格への転嫁を積極的に行ったことで減少した。
 南米は販売代理店と柔軟に連携しながら拡販を進めたことに加え、ブラジル通貨安が急速に進んだことや、上期にブラジルへの輸入通関に滞りが見られたことなどでマーケットで他社の輸入品が減少した影響もあり、販売本数を伸ばせた。
 スポーツ事業の売上収益は931億6500万円で同4・6%減、事業利益は46億5300万円で同41・3%減。ゴルフ用品は韓国が減収となったが、日本や米国では増収となり、全体でも売上収益は前年同期を上回った。テニス用品は主要市場で増収となり売上収益は前年同期を上回った。
 産業品他事業の売上収益は282億6600万円で同0・8%減、事業利益は29億5700万円で同30・7%増となった。OA機器用ゴム部品および手袋事業の販売が減少したことに加え、ガス管事業から撤退したことや、欧州の医療用ゴム製品製造・販売子会社の株式譲渡を実施したことなどが影響し、売上収益は前年同期を下回った。事業利益は医療用ゴム製品の国内向け販売および制振事業の販売好調に加え、OA機器用ゴム部品の構成良化などにより前年同期を上回る結果となった。
 25年12月期通期連結業績予想は前回公表から売上収益を下方修正した。売上収益1兆2000億円(前回発表1兆2150億円、増減率は同1・2%減)、事業利益950億円(同据え置き)、当期利益450億円(同据え置き)を見込む。セグメント別では、タイヤ事業の売上収益1兆350億円(前回発表1兆495億円、増減率1・4%減)、営業利益840億円(同据え置き)、スポーツ事業の売上収益1250億円(同1240億円、同0・8%増)、事業利益65億円(同据え置き)、産業品他の売上収益400億円(同415億円、同3・6%減)、事業利益45億円(同据え置き)を見込んでいる。

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