三井化学子会社のSDCが移転 拠点拡張で製造機能を強化

2025年11月13日

ゴムタイムス社

 三井化学は11月12日、同社子会社で高機能コーティング材・機器の製造・販売・研究を行うSDC Technologiesが、カリフォルニア州ランチョサンタマルガリータに本社を移転すると発表した。
 今回の拠点拡張により、研究開発機能および製造機能を大幅に強化し、コーティング材およびレンズ加工機器事業の更なる事業成長を加速させる。2026年10月に新拠点への移転が完了する予定となる。
 SDCは2008年の同社による買収以降、自社コーティング材の拡販およびM&Aを活用した製品ポートフォリオの拡大により、継続的な事業成長を実現してきた。耐擦傷性コーティング材によるメガネレンズの長寿命化や防曇・調光などの高機能コーティング材によるメガネレンズの高機能化に貢献、さらに、レンズ加工機器の提供を通じてレンズ加工ラボ(技工所)での作業効率向上に寄与している。また、これまでに培ったコーティング材の技術・知見を活かし、自動車、建築、光学機器、医療分野等へ高付加価値でサステナブルな製品をグローバルに提供している。
 同社は、レンズ材料からメガネを革新するリーディングカンパニーとして、高屈折率メガネレンズ材料ブランドMRをはじめ、世界中のニーズに応える数多くのレンズ材料を提供してきた。今回のSDC拠点拡張により、レンズ加工ラボ向け事業の拡大を進め、SDCのコーティング材・機器事業をMRと並ぶビジョンケア材料事業の収益の柱へと成長させていく。
 SDC新本社の所在地は、米国・カリフォルニア州ランチョサンタマルガリータ、敷地面積124・0千sqft(約11・5千㎡)となる。
 製販研機能を強化するために、オフィススペース、倉庫、生産ライン、R&Dラボを拡張する。最先端のイノベーションセンターとしての活用を計画しており、グローバルな技術開発・顧客連携を推進する。
 R&Dラボでは、高付加価値材料、次世代材料向けの研究開発機能を集約・拡充した。将来的には同社グループの米国西海岸起点でのイノベーション創出拠点としての活用も検討している。
 コーティング材・機器製造スペースでは、グローバルサプライチェーンの強化、安全・安定・効率的な生産体制を確立し、事業成長を支える基盤を構築した。
 デモスペース/ショールームでは、材料+機器のソリューション提案力の強化のため、アプリケーションラボ、製品デモスペースを新設し、技術サポートの強化を通じたユーザーとの技術連携・関係性を強化した。
 倉庫/出荷スペースでは、移転に伴いスペースを拡張し、グローバル流通とサプライチェーンの強靭性を支える持続可能な基盤を確保した。
 環境負荷低減の取り組みでは、太陽光パネルを備え、本社で使用する電力の大部分を再生可能エネルギーで賄うことが可能となる。
 2026年2月着工、2026年10月移転完了予定となる。

新オフィス外観

新オフィス外観

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー