東洋紡の26年3月期第2四半期決算は、売上高は2040億1600万円で前年同期比2・5%減、営業利益は117億9000万円で同70・1%増、経常利益は100億5800万円で同216・3%増、四半期純利益は57億3200万円(前年同期は1億1400万円の利益)となった。
フィルムの売上高は865億円で同4・5%増、営業利益は86億円で同186・5%増。包装用フィルム事業では、食品価格高騰による買い控えの影響により、荷動きが悪化したものの、新設備の生産性の改善を進めた結果、収益が改善した。工業用フィルム事業では、セラミックコンデンサ用離型フィルムは、販売が拡大した。液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は強い需要に支えられ、堅調に推移した。
環境・機能材の売上高は507億円で同8・2%減、営業利益は31億円で同9・0%減となった。樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックは、海外向けの自動車用途の販売は低調だったが、製品価格の改定が進んだ。工業用接着剤バイロンは、欧米向け塗料・接着用途や東南アジア向け電子材料用途の販売が増えた。 環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、EV市場減速の影響により、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置の出荷が減少した。不織布マテリアルは、国内生産体制の見直しが進み、収益性が改善した。
ライフサイエンスの売上高は165億円で同3・9%減、営業利益は1億円で同83・6%減となった。バイオ事業では、診断薬用原料酵素の需要は堅調に推移したが、生産性の改善遅れや、診断薬用試薬などの販売が低調で、収益が悪化した。メディカル事業では、新工場の立上げに遅れはあるものの、人工腎臓用中空糸膜の販売は堅調に推移した。医薬品製造受託事業では、製品価格の改定を進めたことにより、収益性が改善した。
2026年3月期通期の連結業績予想は直近に公表されている業績予想を修正した。売上高4250億円(前回発表4400億円、増減率3・4%減)、営業利益230億円(同210億円、同9・5%増)、経常利益175億円(同155億円、同12・9%増)、当期純利益65億円(同45億円、同44・4%増)を見込んでいる。
