旭化成らが資源循環スキームを構築 資源循環サイクル実現を目指す

2025年11月13日

ゴムタイムス社

 旭化成、旭化成ホームズ、積水化学工業、積水ハウスおよびCFPの5社は11月10日、住宅の建築現場で発生する給水給湯管の施工端材を回収して再生製品として生まれ変わらせ、再び施工する資源循環スキーム構築に向けた取り組みを開始すると発表した。
 近年、資源枯渇への懸念、廃棄物増加による環境問題の深刻化を受け、持続可能な形で資源を最大限活用する「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への移行を目指すことが、世界的な潮流となっている。
 プレハブ住宅メーカーである旭化成ホームズ、積水化学(住宅カンパニー)、積水ハウスの3社は、サーキュラーエコノミーの実現に向けてこれまで個社で施工廃棄物の回収やリサイクルなどの取り組みを行ってきたが、サプライチェーン全体の協働によって、設計・回収・再資源化の各プロセスを構築することで、さらに取り組みを加速していきたいとの考えが一致し、連携の方法について検討を重ねてきた。
 また、住戸内で数多く使用されている給水・給湯用の架橋ポリエチレン管「エスロペックス」を製造する積水化学(環境・ライフラインカンパニー)は、これまで製造時に発生するエスロペックス廃材のリサイクル技術を検討してきた。このたび、ケミカルリサイクルを手掛けるCFPがエスロペックス廃材を元に再生油化した原料から生成した再生エチレンを用い、旭化成が再生ポリエチレン樹脂を製造、再び積水化学で再生エスロペックスを製造するという資源循環のサイクルが実現できる見通しとなった。
 このエスロペックスを共通して採用し、豊富な住宅供給量をもつ住宅メーカー3社がこの資源循環のサイクルに参画することでエスロペックス廃材の回収量が拡大し、このスキームの経済合理性の向上を図ることが可能となる。
 住宅メーカーと素材の再資源化の各役割を担う化学メーカーおよびリサイクラーの強みを融合させることで、エスロペックスの資源循環スキームを構築し、2026年3月末の運用開始を目指す。
 業界を超えた5社がタッグを組むことで、循環型社会の実現による環境負荷の低減を目指し、さらなる資源循環の輪を拡げる挑戦を続けていく。

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