出光興産子会社が実証事業参加 油化CRの可能性を検証

2025年11月06日

ゴムタイムス社

 出光興産は11月4日、同社の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)が、経済産業省の「令和7年度 資源自律経済確立産官学連携加速化事業費(広域自治体における資源循環システムの構築に向けた実証事業)」に参加すると発表した。CRJは同実証事業で、大都市圏における資源循環システムの構築に向け、オフィスや商業施設などから排出された使用済みプラスチックの油化ケミカルリサイクルの可能性を検証する。
 同実証事業は、再生プラスチックをはじめとする再生材の供給量を一層拡大するべく、再生材の回収から再資源化までのスキームを、大都市圏、地方都市、中小地域といった地域特性に応じて構築し、各地域の関係事業者とともに実証を行うことで、資源循環システムの構築を目指すものとなる。
 CRJは、同実証事業において、大都市圏のオフィスや商業施設などから排出された使用済みプラスチックの油化ケミカルリサイクルの可能性を検証する。この使用済みプラスチックはポストコンシューマー材料と呼ばれ、本来の目的で使用できなくなったプラスチックのことを指す。同社とCRJはポストコンシューマー材料を貴重な資源として再利用する油化ケミカルリサイクルを通じて、循環型社会の実現を目指す。
 実証対象地域は、大都市圏(首都圏およびその周辺などを想定)となる。特徴は、人口密度が高く、家庭・オフィス・店舗・工場などから大量に廃棄される。
 課題(MRI見解)は、域内で特定素材(プラスチック製容器包装など)の廃棄物を大量に回収できるが、全量を受け入れ可能な大規模選別施設の新設は困難。既存または計画中のリサイクル施設ごとに回収ルートを構築することにより、効率的な回収・再資源化が可能となる。
 実証内容は、オフィスや商業施設などから出るオレフィン樹脂やPS樹脂、PET樹脂などを対象に、ケミカルリサイクルを実証。首都圏全体での循環型サプライチェーンのモデル構築。
 同実証事業は2026年2月まで実施し、MRIにより成果報告書として取りまとめられる。

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