三井化学は10月31日、同社の100%子会社であるKulzer GmbHが、事業の重点地域をEMEA・米州を中心とした地域に絞り込み、DXを活用してより効率的に販売を伸ばすとともに、資本効率の高い事業に構造転換するために、事業構造改革を進めている中、EMEA市場で伸長するKulzerの主力製品「人工歯」の生産を、アジア(中国)と欧州(ドイツ)の二拠点からドイツに集約することを決定し、実行したことを発表した。これにより、スケールメリットを活かしたさらなる生産効率改善を実現していく。さらに、マザー工場としての製品品質の向上と供給安定性確保とともに、重点地域におけるソリューション提供と販売拡大加速につなげていく。
2024年にKulzerは、経営体制を一新することで、リーン・マネジメントを強化するとともに、主要市場であるEMEA・米州を皮切りに、DXを活用した顧客動向分析を取り入れることにより顧客へのソリューション提供力を効率化し販売力の強化を推進してきた。
これらの成果を踏まえ、Kulzerのグローバル組織体制を改定することで業務の生産性および迅速性を向上させ、販売管理部門人員の15%を削減することが可能となった。この取り組みにより、Kulzerの売上高販管比率はグローバル競合各社と同水準となる。引き続き、構造改革を加速し更なる競争力強化を進めていく。
オーラルケア事業では、組織体制の強化を通じたコスト低減と売上高の伸長による収益性改善を進め、ポリマーサイエンス技術とグループ連携により、世界中の患者や歯科従事者に対し価値ある製品とサービスを提供する歯科保存領域のグローバルリーディングカンパニー実現を目指す。
同社は、成長領域においても聖域なき事業の構造改革を進めることで資本効率改善を図り、VISION 2030の実現に向けてグローバル市場における競争力を一層強化していくとしている。

