旭化成は10月31日、2025年11月5~10日まで中国・上海市で開催される「第8回中国国際輸入博覧会」に出展することを発表した。今回で4回目の出展となる同社は、「多様な素材で新たな生産力を共創する(Empowering Diverse Materials for Coーcreating New Quality Productive Forces)」をテーマに、自動車・デジタル・健康・低炭素の4分野における革新的な製品・技術を紹介する。
また、会期中には、事業戦略発表会や、印刷分野・電解液分野に関する専門セミナーも開催し、今後の事業展開や技術動向について紹介する。
主な展示内容は以下の通りとなる。
新素材「Bembreez」は、銅アンモニア法により製造した連続長繊維不織布をテープ状に加工した新素材である。衣料や手芸分野でデザインの可能性を広げることが期待されている。原料にはコットンリンター(綿実の周りの産毛)を使用し、天然由来かつ生分解性を備えている。特長は、「軽く柔らかな肌触り」銅アンモニア繊維の真円に近い断面構造により低摩擦で肌に優しい触り心地を実現、「優れた染色性」繊維内の微細な水分の通り道は染料の吸収スピードを速め、短時間で濃く染めることが可能、「環境調和性」使用後は自然環境下で分解可能、環境への負荷を軽減する。
プライバシーを守る非接触型センサー「ミリ波レーダー」は、非接触型センサーとしてカメラに代わり、寝室や浴室などの空間でもプライバシーを守りながら、高齢者や乳幼児を24時間見守ることができる。用途は幅広く、動作や状態を検知して独居高齢者を見守るほか、不審侵入の検知、非接触での心拍・呼吸測定などが可能となる。
本展示では、アンテナ一体型ミリ波レーダーモジュール「AiM(AntennaーinーModule)」を紹介する。AiMはレーダーICとアンテナを一体化した小型モジュールで、アンテナ設計や信号処理の専門知識がなくても短期間でPoC(概念実証)構築を可能とする。家電や住宅設備をはじめとする多様な機器にセンシング機能を付加する。
高音質オーディオブランド「VELVET SOUND」は、「原音重視」の思想に基づき展開される、旭化成エレクトロニクスのオーディオソリューションブランドである。音楽や映像に臨場感をもたらす高音質技術を提供する。今回の展示では、「VELVET SOUND for Cars」を搭載したデモカーを展示し、車載オーディオの新たな体験価値を紹介する。
樹脂グレージング用ハードコート剤は、軽量・高耐久な車載用樹脂窓を実現した。ポリカーボネートに同社のコーティング技術(ハードコート剤)を組み合わせることで、樹脂でありながら優れた耐摩耗性・耐久性を実現。軽量化とデザイン自由度の向上により、次世代モビリティの開発に貢献する。今回の輸入博では、恩高光学社が本材料を使用し、欧州経済委員会による車載用安全ガラス材料認証(ECE Rー43)を取得したポリカーボネート製サンプルを展示する。




