日本精工が技術検証完了 ロボット向けリンク式サスペンション

2025年11月06日

ゴムタイムス社

 日本精工は10月31日、サービスロボット向けプラットフォームの走破性の高さを実現する重要な構成要素である「リンク式サスペンション」の技術検証が完了し、開発プロセスを大きく進めることができたと発表した。
 同社は、路面の凹凸や傾斜など屋外を中心に多様な走行環境にも対応可能なサービスロボット向けプラットフォームの開発を2023年から推進している。このサービスロボット向けプラットフォームは、屋外走行に関わる基本機能(屋外走行機能、安定搬送機能、自律走行機能)を低床ボディにパッケージ化したものとなる予定。
 今後、教育機関や飲食店などさまざまなユースケースで実証実験を行い、2027年内に同プラットフォームの市場投入を目指す。
 同社は、中期経営計画「MTP2026」でBearings&Beyondという言葉を掲げ、祖業であるベアリング事業で培ってきた技術やノウハウなどを生かして、新しい事業の展開に挑戦している。その一環として、2023年から多様な走行環境へ対応するサービスロボット向けプラットフォームの開発を進めており、2027年内に市場投入を目指している。
 この度、その重要な構成要素である「リンク式サスペンション」の技術検証が完了し、開発プロセスを大きく進めることができた。リンク式サスペンションとは、パンタグラフ形状のリンク機構を介して駆動輪・従動輪を接続している装置であり、屋外での整備されていない路面や、段差などで路面に凹凸があっても駆動輪を確実に接地させることができるため、サービスロボットの安定した推進力と走行性能を確保できる。
 同サスペンションは、2023年に発表したプロトタイプをベースとして、2024年から始めた立命館大学での実証プロジェクトを通じて、同社が改良を加えた新型モデルとなる。
 同サスペンションを搭載したサービスロボット向けプラットフォームは低床ボディという特長を持つため、サービスロボットとしての車体低床化にも期待ができ、結果としてサービスロボットの小型化にも貢献する。そのため屋内外問わず、小型なロボットのニーズが高いサービスロボット市場でも、需要が見込まれる。
 今後、屋内外のさまざまなユースケースにおいて実証実験を実施し、その知見を生かしてプラットフォームの高機能化を進め、2027年内にサービスロボット向けプラットフォームの市場投入を目指す。その際、同社が長年培ってきたコア技術を生かしたプラットフォームを「サービスインテグレーション(さまざまな技術を組み合わせること)」に取り入れることで、より現場のニーズに即したソリューションを提供する。

リンク式サスペンション

リンク式サスペンション

実証実験の様子

実証実験の様子

屋外警備ロボットの外観

ロボットの外観

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