BASFは10月30日、同社の化学品中間体事業本部が、中国・湛江のフェアブント拠点(統合生産拠点)において、新たなネオペンチルグリコール(NPG)工場の操業を開始したと発表した。年間生産能力8万tの新工場の稼働を開始したことで、同社の世界全体でのNPG生産能力は年間25万5000tから33万5000tに拡大し、世界有数のNPGメーカーとしての地位がさらに強化された。NPGは主に粉体塗料用樹脂の製造に使用される中間体となる。最初の顧客への初回出荷は10月に実施された。
また、同社は、湛江フェアブント拠点で製造されるNPGにおいて、製品カーボンフットプリント(PCF)を低減したNEOLネオペンチルグリコール90%rPCF APを上市した。事前評価によると、湛江で製造されたNPGのPCFは、アジア地域の既存の同社製造拠点で生産された同製品よりも低く、これは高効率な生産技術や、統合生産システムによる相乗効果、低炭素原料の使用、そして100%再生可能電力の活用によるものとなる。
同社のアジア太平洋地域化学品中間体事業本部のシニアバイスプレジデントであるマイケル・ベッカー氏は「この新たなNPG工場の稼働により、アジア太平洋地域における当社の生産体制が強化され、環境に配慮した粉体塗料用樹脂に対するお客様の高まるニーズにより迅速かつ柔軟に対応できるようになる。このことは、持続可能な化学品中間体を提供するパートナーとして選ばれる存在を目指すという当社のビジョンに向けた重要な一歩」と述べている。
粉体塗料は、溶剤系や水系塗料とは異なり、効率性(Efficiency)、経済性(Economy)、卓越性(Excellence)、環境配慮(Ecology)の「4つのE」で、高く評価されており、建材、一般産業、家電製品、家具、自動車、3C製品などさまざまな産業のグリーントランスフォーメーションの推進において重要な役割を果たしている。粉体塗料は揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少なく、液体塗料と比較してVOCの排出量を最大50%削減できるため、VOC排出基準遵守が可能となる。NPGのその他の用途としては、潤滑油、可塑剤、ならびにイブプロフェンなどの医薬品の製造などが挙げられる。
2025年11月06日


