住友化学は10月30日、同社が運営する農業関連の総合情報サービス「つなあぐ」の青果市況情報アプリ「YAOYASAN」をアップデートし、独自の新たなプログラムを搭載した「市況分析」の機能を有料サービスとして追加したことを発表した。これにより、農業関係者の経営効率化に寄与する新たなデータビジネスを開始する。
「YAOYASAN」は、同社が2023年に立ち上げた「つなあぐ」で提供しているアプリの一つである。野菜や果物について、卸売市場における取引の速報値を表示する「市況速報」や、取引の実績値を用いて価格や数量の変動を把握できる「卸売価格動向」を備えている。スマートフォンでいつでも最新の市況情報が図表で視覚的に確認できるため、その利便性の高さから農業関係者から好評を得ている。
近年、農業生産者の間では、注目する野菜がいつ・どこで・いくらで売れているか、近隣の市場ではどの産地から出荷されているのかなど、価格設定や競合分析への意識の高まりが広がっている。しかしながら、市況情報を図表で可視化したアプリやウェブサイトは存在するものの、多角的な分析機能を備えたサービスはなかった。そこで、同社は、農業生産者のニーズを叶えるべく、市況データを分析する独自の機能を開発し、「YAOYASAN」に搭載した。
今回新たに追加する「市況分析」は、市場と産地で視点を切り替えて市況情報を閲覧・分析できることが特長である。ユーザー自身で、期間や対象を自由に選択して比較でき、地図上で青果物の流れも確認できる。農業関係者の方々が日常的に行っている出荷先や時期・数量の調整、価格の設定といった経営に直結する判断を、新しい「YAOYASAN」がサポートする。
