BASFと韓国企業、覚書に調印 アパレル用新材料の共同開発

2025年10月29日

ゴムタイムス社

 BASFは10月27日、同社とLEMONが、同社の熱可塑性ポリウレタン(TPU)であるElastollanを原料とする繊維Freeflexを活用した、新たな材料ソリューションを共同開発するための覚書(MoU)に調印したと発表した。
 韓国・ソウルに本社があり、機能性ナノメンブレンの主要メーカーであるLEMONは、Freeflexを防水・防風アパレルの製造に採用する予定となる。同覚書には、技術開発や事業拡大における今後の協業の可能性も盛り込まれている。
 LEMONの最高経営責任者であるリー・ジョンイル氏は「今回のBASFとの提携により、当社のエレクトロスピニング技術の応用範囲を拡大し、高性能ナノファイバー素料をグローバルブランドに提供することが可能になる。私たちは、当社のナノメンブレン開発における専門知識と、BASFの材料イノベーションを組み合わせることで、機能性テキスタイル分野における新たな基準を確立することを目指している」と述べている。
 Freeflexは、エレクトロスピニング技術によりメッシュ状の構造を持つナノメンブレンを製造するために設計された、同社の高性能素材となる。この素材は、高い撥水性、優れた通気性、そして超軽量性を備えており、快適性と耐久性を維持しながら、過酷な環境条件下でも確実に機能するよう設計されている。
 同社パフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア太平洋地域TPUビジネスマネジメント担当バイスプレジデントであるロヒット・ゴーシュ氏は、「Freeflexは、材料科学が高性能かつより持続可能な衣料品の未来に貢献できることを示している。LEMONとの提携を通じて、韓国のアパレル業界に先進的なTPU繊維技術を提供できることを大変うれしく思っている」と述べている。
 Freeflexは、機能的な特性に加えて、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)を意図的に使用せず製造されており、完全にリサイクル可能となる。これらの特性は、両社が掲げる持続可能なイノベーションへのコミットメントとも一致している。

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