帝人フロンティアら6者がNEDO採択 廃棄衣料品を再利用する研究開発

2025年10月29日

ゴムタイムス社

 帝人フロンティア、倉敷紡績、地球環境産業技術研究機構、東レ、日清紡テキスタイル、日本毛織は10月27日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「バイオものづくり革命推進事業」に「繊維to繊維の資源循環構築の実現に向けた研究開発・実証」を共同提案し、採択されたと発表した。
 そして、同プロジェクトの実施において、この6者で技術や知見を結集し、廃棄衣料品をもう一度繊維として再利用する「繊維to繊維」の資源循環構築を目指し、コンソーシアム「Consortium for Fiber to Fiber(CFT2)」を設立した。このコンソーシアムにおいて、「繊維to繊維」の技術開発および、評価手法などの検討を進め、循環型社会の実現を目指していく。
 現在、衣料品の多くは使用後に再活用されることなく廃棄され、焼却または埋立処理されており、環境に与える影響が問題視されている。そのため、繊維産業において、廃棄衣料品を資源として最大限活用するためのリユースやリペア、繊維から繊維への水平リサイクルに加え、エネルギーの効率的利用および、製品価値を長期間保持して廃棄量を最小化するなどの循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が強く求められている。
 こうした状況の中、持続可能な社会の構築に向けた重要な一歩となる同プロジェクトの採択を契機に、採択事業者6者は、「繊維to繊維」の資源循環システム構築に向けて同プロジェクトを推進するコンソーシアムである「Consortium for Fiber to Fiber(CFT2)」を設立した。
 今後、6者は協力して、これまで再資源化が困難であった未利用資源である複合繊維素材の廃棄衣料品を用いて、酵素による選択的分離や微生物を用いた繊維原料への再資源化の技術開発を進める。さらに、採択事業者の繊維企業5社がこれまで培ってきたメカニカルリサイクルやケミカルリサイクル技術を活用し、世界に先駆け、天然繊維と合成繊維の両方に対応した衣料品の資源循環システムの構築を目指す。
 未利用資源である廃棄衣料品の再資源化技術の開発・実証は、帝人フロンティア、倉敷紡績、東レ、日清紡テキスタイル、日本毛織が、未利用資源である廃棄衣料品を再活用するための選別技術の開発・実証は、帝人フロンティア、東レが、廃棄衣料品の再資源化のための産業用酵素・微生物開発プラットフォームの構築と、繊維のバイオリサイクル技術の確立・高度化は、地球環境産業技術研究機構が、バイオものづくり製品の社会実装のための評価手法等の検討は6者共同で行う。

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