生活環境基盤材料は減収減益 信越化学の4~9月期

2025年10月28日

ゴムタイムス社

 信越化学工業の2026年3月期第2四半期連結決算は、売上高が1兆2845億2200万円で前年同期比1・4%増、営業利益が3339億3500万円で同17・7%減、経常利益が3673億3900万円で同17・1%減、四半期純利益が2578億4400万円で同12・3%減となった。

 セグメント別では、生活環境基盤材料事業の売上高は5004億円で同2%減、営業利益は1023億円で同33%減となった。塩化ビニルに関しては、北米で年初から年半ばにかけ需要は堅調だったが、その後弱含み市況は軟化した。アジアほかの海外市場で、価格の低迷が続いているが、張り巡らされた販売網を駆使して、最善の販売を行った。か性ソーダについては、価格、数量とも概ね安定した販売を確保した。中国政府が供給過剰を問題視しつつあるとの報道があり、動静を注視する。

 電子材料事業の売上高は4963億円で同7%増、営業利益は1706億円で同9%減となった。半導体市場は、AI関連が引き続き活況を呈する一方で、それ以外の分野の需要は精彩を欠いたままだった。そのような事情のなか、伸びの強い市場にシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を出荷することに注力した。希土類磁石は、堅調なハードディスクドライブ用の需要に応える一方、米国の関税政策に端を発した中国の輸出規制への対応に注力した。

 機能材料事業の売上高は2206億円で同2%減、営業利益は481億円で同10%減となった。汎用製品群の市況回復は依然として発現しなかったが、引き続き機能性の高い製品群の販売を増進することに集中することで収益を補うことに努めた。

 加工・商事・技術サービス事業の売上高は671億円で同1%増、営業利益は136億円で同8%減となった。半導体ウエハー関連容器はウエハー出荷用、半導体工程内用ともに需要が堅調に推移した。自動車関連製品ではライトガイドやワイパーなどシリコーン成型品で新規の需要が伸びた。

 通期の連結業績予想は、売上高が2兆4000億円で前期比6・3%減、営業利益が6350億円で同14・4%減、経常利益が7000億円で同14・7%減、当期純利益が4700億円で同12・0%減を見込んでいる。

 

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