ランクセスは10月23日、世界のタイヤメーカーであるコンチネンタルが、同社のゴム添加剤の新製品「ブルカノックスHSスコープブルー」を世界で初めて採用したことを発表した。本製品は、すでに多数の実績を有するゴム添加剤「ブルカノックスHS(TMQ)」がISCC PLUS認証を取得した、より持続可能な製品ラインナップである。加硫工程において、酸素や熱などの劣化からゴムコンパウンドを確実に保護する。
コンチネンタルタイヤの購買責任者、ステフェン・リッセル氏は次のように述べている。「コンチネンタルタイヤでは、製品の環境性能向上に継続的に取り組んでいる。ランクセスとの協業や、『ブルカノックスHSスコープブルー』のような革新的なゴム添加剤の使用は、2030年までにタイヤの40%以上を再生可能素材およびリサイクル素材で製造するという当社の目標達成に大きく貢献している」
「ブルカノックスHSスコープブルー」は、生産工程において持続可能なバイオ循環型アセトンと再生可能エネルギーを使用することで、添加剤の全体的な化学構造の変更なしに、従来の製品と比較して、CO2フットプリントを30%以上削減することを実現している。これにより、タイヤメーカーは生産プロセスをそのまま活用できる。「プレミアムメーカーであるコンチネンタルに、ランクセスの『ブルカノックスHSスコープブルー』が採用されたことを大変喜ばしく思う。これはランクセスの革新的な添加剤が業界で認められ、評価されていることを示すものである」と、同社のラインケミービジネスユニット責任者であるイェンス=ヘンドリック・フィッシャー氏は述べている。「このようなソリューションを通じて、ランクセスは顧客が気候目標を達成しながら最良の製品を開発することを支援している」
ランクセスは、より持続可能で環境に優しい素材への需要の高まりに応えるため、「ブルカノックスHSスコープブルー」を開発した。この添加剤はスコープブルーラベルを取得している。「スコープブルー」ラベルはランクセスの製品群の中で、特にカーボンフットプリントが低減された、または循環型原材料の割合が高い製品に付与される。同製品はドイツのマスバランス方式に基づくISCC PLUS認証を取得した施設で生産されている。ランクセスはカーボンフットプリントの算出に「ゆりかごからゲート(Cradleーtoーgate)」アプローチを採用しており、スコープ1(直接排出)、スコープ2(エネルギー由来の間接排出)、スコープ3(その他の間接排出)を含む。
製品に最高性能と耐久性を求めるタイヤメーカーにとって、高性能添加剤の使用は不可欠となる。「ブルカノックスHSスコープブルー」は、加硫工程においてゴムコンパウンドを酸素や熱などによる劣化から効果的に保護する。これにより、加工初期段階におけるコンパウンドの熱安定性が高められ、タイヤの長期性能が確保される。さらに、「ブルカノックスHSスコープブルー」は揮発性が低く、移行傾向も少ないという特徴がある。

