三菱ケミ、欧州リサイクル認証を取得 食品包装用多層フィルム

2025年10月21日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは10月17日、食品包装材などに使われるガスバリア性樹脂「ソアノール」とリサイクル助剤「ソアレジン」を含む多層フィルムが、欧州のリサイクル認証機関RecyClassのリサイクル認証を取得したことを発表した。

 ソアノールは、同社独自技術によって開発された高いガスバリア性、耐油性、透明性を持つエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂である。食品包装材として用いることで、食品の風味や品質を長持ちさせ食品ロス削減に貢献する。また、他素材に比べて薄膜化が可能でプラスチック使用量の削減にも貢献することから、環境配慮型の素材として世界で需要が拡大している。

 食品包装材をはじめとするプラスチック製品は資源循環の観点からリサイクルが求められ、リサイクル性に優れる素材の開発が進んでいる。このたび同社はRecyClassにおいて、ソアノール含有率10wt%以下のポリエチレンベース多層フィルムがリサイクル可能であるとの認証を取得した。また、他の樹脂との相溶性を高め、リサイクル材の品質を向上させるソアレジンを最大3wt%まで含有した場合においても、本多層フィルムのリサイクルが可能と認証された。なお、本多層フィルムは米国のリサイクル認証機関であるThe Association of Plastic Recyclersの認証も取得している。

 これらのリサイクル認証の取得は、ソアノールが食品ロスの削減のみならず、資源循環にも貢献する素材であることを示したものである。
 同社は経営ビジョン「KAITEKI Vision 35」において、「食の品質保持」を注力事業領域のひとつに挙げている。食の品質保持を支える環境配慮型の素材の提供によって、社会のサステナビリティ実現に貢献していくとしている。

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