出光興産ら共同出資で蓄電所開発 系統用蓄電池を活用

2025年10月15日

ゴムタイムス社

 出光興産、レノバ、長瀬産業、SMFLみらいパートナーズは10月10日、共同出資により開発した「姫路蓄電所」が、同日に運転を開始したと発表した。
 太陽光発電などの再生可能エネルギーは天候や時間帯によって発電量が増減し、日々変動する電力需要に対応することができない。そのため、再生可能エネルギーの普及に伴う電力需給バランスの不安定さが課題となっている。系統用蓄電池事業は、発電設備や需要家とは独立し、送配電ネットワークに直接接続された大型蓄電池を用いる。電力の需要状況に合わせた充放電が可能であるため、電力需給バランスの安定化に有効な手段の一つとして普及が期待されている。
 4社は、各社がカーボンニュートラル社会の実現に向けて再生可能エネルギー開発等に取り組んできた。系統用蓄電池事業の実現により再生可能エネルギーのさらなる普及を目指したいという方向性が一致し、共同出資による同蓄電所の開発に至った。
 同蓄電所では、電力の需給バランスをリアルタイムで調整する「需給調整市場」や将来の発電供給力をあらかじめ確保する「容量市場」を活用することで、系統用蓄電池を活用した電力事業における収益モデルの確立を目指す。
 なお、同蓄電所は送配電ネットワークへのアクセス性、蓄電池の設置スペースの制約等を勘案し、出光興産兵庫製油所跡地の遊休地を活用している。
 今後も、地域の方々や関係各所の理解・協力を得ながら、安全を最優先に同蓄電所を運営していく。また、同事業を通じて、天候や時間帯の影響で発電量が変動する再生可能エネルギーの主力電源化を支える調整機能を担い、電力系統の安定化およびさらなる再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していく。

姫路蓄電所

姫路蓄電所

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