清水建設 OAフロアに再利用  廃プラスチックを同一現場で再生

2025年10月16日

ゴムタイムス社

 清水建設が現場で発生したプラスチック廃棄物を同じ現場で使用する新築建材の原材料として再生利用する取り組みを開始する。取り組みの第1弾として、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」の建設現場を対象に、現場由来の再資源化材で製造したOAフロア部材を新築建材として活用する「Site to Site」型のマテリアルリサイクルを実践する。
 建設現場由来の廃プラスチックはこれまで、焼却して熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルに供されることが多く、再資源化材としてマテリアルリサイクルされる割合は約15%に留まる。また、マテリアルリサイクルされた再資源化材の70%以上は海外に輸出され、同一現場内で再利用される事例はほとんどないのが現状となっている。
 日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業の建設現場では従前から、廃棄物として回収したプラスチックを樹脂種類ごとに現場内で高度分別し、再資源化材としてリサイクラー(再資源化事業者)に有価売却する取り組みを進めている。今回の新たな取り組みでは、OAフロアの製作・施工を担当するニチアスがリサイクラーが材料化した現場由来の廃プラスチックを引き取り、OAフロアの床パネルを支える支持脚頂部のプラスチック部材(ロックセット)の原材料であるポリプロピレンとして再利用する。 リサイクル部材の製造は、同社の国内製造拠点で行う。廃プラスチックを同一現場内で循環利用するマテリアルリサイクルスキームに基づき、25年10月から約4万個のリサイクル部材を現場に順次搬入し、2フロア・1万m2分のOAフロアの施工に活用する計画だ。
 大規模現場から発生する産業廃棄物の3~4割を占める廃プラスチックのマテリアルリサイクルが普及すれば、資源循環社会の実現に大きな貢献に寄与する。同社では同種のマテリアルリサイクルスキームを自社の建設現場に順次展開し、資源循環社会の実現に貢献ていく考えだ。

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