住友理工は1960年代半ばより鉄道車両用防振事業に参入しているが、10月14日の鉄道の日に合わせ、10月9日にもう一つの鉄道向け主力製品、駅ホーム用転落防止ゴムを紹介した。
駅ホーム用の転落防止ゴムは、ホームと車両の間に設置され、乗客の車両への乗り降りの際、車両とホームの隙間への転落防止のために設置される。歩行者はもちろん、ベビーカー・車椅子、そして電動車椅子が通った際にかかる負荷に対応する高い耐久性を備え、車両への乗降車の際に違和感のない感触で支持をする。また側面のゴムは柔らかい輪状構造で、万が一、本製品と車両が接触した場合でも、車両からの衝撃を吸収し、車両や乗客への影響を軽減する役割を果たす。
本製品は、「東京メトロ安全報告書2025」に紹介されており、2025年8月末時点で、東京メトロ180駅のうち156駅に設置されている。また10月13日まで開催されていた大阪・関西万博の最寄り駅、Osaka Metro中央線夢洲駅のホームにも設置され、多くの万博来場者の安全性確保に貢献した。
さらに、国土交通省のバリアフリー法に基づく基本方針では、2030年度末までに、車両との段差や隙間を小さくしたホームを全国4000ヵ所に拡充する方針が掲げられている。これは車椅子利用者が単独で乗降が可能な状態を考慮した施策で、23年度末時点の約2000ヵ所からの倍増を目指している。同社製品は各ホームの隙間に応じた隙間寸法への調整が可能で、既存のホームへの迅速な設置を実現する。これにより、工期の短縮が期待でき、多くの利用者の安全な移動をサポートする。


