豊田合成は10月10日、同社が生産する高圧水素タンクが、日野自動車から10月に発売される燃料電池大型トラックに採用されたと発表した。幹線輸送に用いられる大型トラックなどの商用車は、1日の走行距離が長く、十分な航続距離が求められ、このニーズを満たす燃料電池トラックの普及が期待されている。同社は今後も、燃料電池車の基幹部品である水素タンクの開発・生産を通じ、水素社会の実現に貢献していく。
水素は使用時にCO2を排出しない次世代のエネルギーとして、カーボンニュートラルの実現に向けて普及が期待されている。同社では、強みであるプラスチックやゴムなどの高分子材料の成形加工技術などを活かし、水素を高圧(約700気圧)で圧縮して効率的に貯蔵するタンクを、燃料電池車のMIRAI(2代目)向けにトヨタ自動車と共同開発し、2020年11月から同社いなべ工場で生産している。2023年には、大型の高圧水素タンクを市場投入し、これまでに小型トラックや船舶に採用されている。
同社製タンクが1台あたり6本搭載されており、乗用車(MIRAI)の約9倍の水素充填が可能となる。
水素利用は、自動車をはじめバイクや船舶、鉄道などのモビリティ全般に加え、将来的には暮らしの分野でも期待されている。同社では、搭載ニーズに応じたタンクの提供とともに、水素の貯蔵効率の向上を進めることで、今後も水素社会の実現に貢献していく。
2025年10月14日


