ブリヂストンが大会レポート公表 TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup

2025年10月09日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは10月6日、2025年10月4~5日に鈴鹿サーキットで開催された「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025 第6戦プロフェッショナルシリーズ」のレポートを公表した。

 シリーズも佳境を迎えたGR86/BRZ Cup 2025。
 第6戦の舞台は日本モータースポーツの聖地・鈴鹿サーキット。2本のストレートを低速から高速まで多岐にわたるコーナーが挟む、国内屈指のテクニカルコースだ。
 ドライバーにはリズムが、セッティングには優れたバランスが求められる。木曜日までサーキットでイベントが行われていたため、練習走行は金曜日の専有走行とスポーツ走行一本のみと、チームにとってはセッティングを詰めることが非常に厳しい大会となった。

 ドライコンディションが保たれた金曜日の専有走行では、2分25秒635で#89奥本隼士(DL)がトップタイムを記録。2分25秒645でそれに次いだのが#1菅波冬悟(DL)。3番手には2分25秒689を記録した#121蒲生尚弥(同社)、4番手は2分25秒703で#7堤優威(同社)がつけていた。
 今回のエントリーは34台で、そのうち20台が同社のPOTENZA REー10Dを装着する。

 専有走行でコースレコードに迫るタイムが計測されたため、予選での記録更新への期待が高まったが、前日からの雨は土曜日も降り止むことはなく、予選は完全なウエットコンディションとなった。さらにコース内の場所と時間によって雨量が変化するという過酷な条件下で行われた。
 ウエットでは絶えず攻め続けなくてはならないため、集中力が問われる。ほとんどのドライバーがピットで待機することなく、予選開始と同時にコースインしていった。そんななか、計測1周目から2分45秒995を記して、トップに立ったのは蒲生だった。2番手に2分46秒812の堤、3番手は2分47秒017の#88井口卓人(同社)だ。

 だが、計測2周目には井口が2分45秒967でトップに、次の周も2分44秒270でトップのポジションを守ったかと思われたが、その直後に他を圧倒する2分42秒910というタイムでトップを奪い返したのが蒲生だった。井口もラストアタックで2分43秒455を記録し自己ベストを更新したが及ばず2番手。
 蒲生が2019年の第4戦・オートポリス以来となる、久々のポールポジションを獲得した。

 3番手には2分44秒291で堤が、4番手には2分44秒385で#34佐々木雅弘(ブリヂストン)、以下、#87久保凜太郎、#293岡本大地、#160吉田広樹、#199小林利徠斗、#56鶴賀義幸、#98元嶋佑弥、#18中山雄一と、上位11番手までを同社ユーザーが独占した。

 翌日曜日は雨も止み、プロフェッショナルシリーズ決勝を控える頃には、コース全体がほぼドライコンディションに変わっていた。
 上位11台を同社ユーザーが占めたこともあり、序盤の展開はグリッドの左右の並び順で、若干の有利・不利が分かれるかと思われたものの、クリアなスタートが切られ、1コーナーでの混乱もなかった。しかし、2コーナーの立ち上がりからは大渋滞。ポールシッターの蒲生が先頭を切って駆け抜け、井口、堤と、ここまでは予選順位のままだったが、S字では4番手の佐々木と久保が軽く接触。代わって後続の岡本が4番手に浮上し、佐々木は5番手に後退する。

 路面は周回を重ねるごとに乾いていくかと思われていたが、2周目に西コースから雨が降り出してしまう。そんな難しい状況のなか、元嶋がデグナーで佐々木を抜いて5番手に浮上。その後ろには小林が続く。2周目に差し掛かった段階では蒲生、井口、そして堤の三つ巴となっていたが、雨を味方につけた蒲生は徐々に後ろを引き離す。3番手の堤は4周目のデグナーでは井口をかわし2番手に浮上した。その後、雨はコース全域にまで広がり、全体のラップタイムも2秒ほど落ちる展開に。慎重な走りが求められるコンディションのなか、5周目のS字でクラッシュが発生。セーフティカーが導入される。しかし、1周が長く、オフィシャルの迅速な作業に定評のある鈴鹿とあって、セーフティカーは1周で解除された。

 一時は1秒6までリードを広げていたトップの蒲生だったが、130Rからの加速を堤にぴたりと合わされ、ホームストレートの計測ラインではコンマ3秒差にまで詰め寄られる。しかし、堤からのプレッシャーに動じることなく、1コーナーでポジションを守りきった蒲生は、残り3周で再び差を広げ、最後はほぼ1秒の差をつけてトップでフィニッシュ。2019年のオートポリス以来となる、通算3勝目を獲得した。

 2位にはシリーズランキングトップの堤。中盤からの岡本と元嶋の猛追を抑え切った井口が3位。この結果、シリーズランキングトップの堤は、井口との差を10ポイントにまで拡げ、タイトル獲得へ大きく前進した。4位には岡本、5位は元嶋で、6位に佐々木と、実に10位までを同社ユーザーが独占する大会となった。

大会の様子

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