ランクセスは10月3日、ドイツのデュッセルドルフで10月8~15日まで開催される世界最大の国際プラスチック・ゴム産業展「K2025」に出展することを発表した。同社の展示ブースでは、多様なポリマー添加剤、着色剤、プラスチック着色用耐熱性無機顔料および開発中の新製品を含むプラスチック産業向けの幅広い製品ポートフォリオを紹介する。
同社は、臭素系およびリン系ソリューションを通じて、世界で最も包括的な有機難燃剤のラインナップを提供している。ポリマー系および反応型難燃剤は、ポリマーからの添加剤の溶出を抑制し、耐火性を損なうことなく環境・健康保護に貢献する。臭素系難燃剤は高い効率性を有することから、建設業界や電子機器業界で広く使用されている。リン系難燃剤は、優れた加工性や高い弾性などの利点もあり、ポリウレタン(PU)やポリ塩化ビニル(PVC)システムで活用されている。
同社は顧客支援のため、持続可能な新ソリューションの開発を継続的に進めている。たとえば「レヴァガード(Levagard)2100」(化審法新規物質品)は、安全性・効率性・持続可能性を備えた次世代の反応性難燃剤である。「レヴァガード2100」は、建設や断熱用途で使用される硬質ポリウレタン(PUR)、ポリイソシアヌレート(PIR)フォーム、クローズドセルスプレーフォーム向けに設計されている。
従来の添加型難燃剤であるTCPPなどとは異なり、「レヴァガード2100」は低粘度の反応性ホスホネートで、ポリマーに化学的に結合し、構造の一部となる。この反応型統合により、低揮発性、最小限の移行、低VOC排出、耐久性向上などの利点が得られ、現代の断熱システムに適した持続可能な代替品となる。また、可塑化効果が低いため、機械的特性も向上する。「レヴァガード2100」は、ドイツで自社の主原料から生産され、サプライチェーンにおける高い柔軟性を実現する。
「エメラルド・イノベーション(Emerald Innovation)5000」は、デカブロモジフェニルエタン (DBDPE)の代替として開発された持続可能な難燃剤の新グレードとなる。これは、従来市場および新興市場の最新規制要件を満たしつつ、厳格な耐火安全基準にも対応する。
ポリマー性・溶融ブレンド特性を持つ「エメラルド・イノベーション5000」は、低分子臭素系難燃剤製品の根本的な移行問題に対応する。プラスチック樹脂に配合した際に高い永続性と低い移動性を示し、長寿命用途でもブリーディングを防ぐ。また、幅広い加工条件に対応でき、多様なエンジニアリングプラスチックでの物性調整が可能となる。
その他、展示ブースではフタル酸フリー可塑剤と加水分解安定剤、プラスチック向けの先進的な着色ソリューション、耐熱性有機・無機顔料が紹介される。
