帝人フロンティアがシート中綿開発 高い保温性で衣料用途に展開

2025年10月03日

ゴムタイムス社

 帝人フロンティアは10月2日、リサイクルポリエステル繊維「エコペット」を70%以上使用するとともに、高い保温性を有する中空断面繊維や高機能原綿を組み合わせることで、環境配慮と機能性を両立するシート中綿を開発したと発表した。
 このたび、このシート中綿のマザーブランド「THERMOFRONT」を設定し、スポーツ・アウトドアからカジュアル衣料まで幅広い用途に向けて展開することとした。その第一弾として、嵩高軽量性や着用快適性および、吸放湿性などの付加機能ごとに3つのサブブランドを設定し、10月7日から国内外で販売を開始する。
 「THERMOFRONT」シリーズの特長は、リサイクルポリエステル繊維「エコペット」を70%以上使用した環境配慮型のシート中綿であり、中空断面短繊維を使用することで、一般的なポリエステル製シート中綿より高い保温性を有す。さらに、同社独自の不織布設計技術および、シート加工技術を活用することで、使用する原綿が有する機能性を最大限に発揮させることが可能となる。
 「THERMOFRONT OA」は、中空8フィン断面短繊維「オクタエア」を使用しており、異形断面形状の空隙による優れた嵩高軽量性を発揮するとともに、「エコペット」原綿と組み合わせて最適な密度にシート化することによって、保温性能を保つ。また、再生ポリエステルの使用率は100%となる。
 「THERMOFRONT SL」は、バネ状の分子構造を持つPTT繊維「ソロテックス」と、らせん形状をした立体三穴中空ポリエステル繊維「エアロカプセルγECO」を組み合わせた不織布を使用しており、「ソロテックス」のソフトな風合いと形態回復性や、「エアロカプセルγECO」の優れた保温性や心地よいボリューム感により、快適な着用感を実現する。
 「THERMOFRONT BE」は、再生セルロース繊維キュプラ「ベンベルグ」と「エアロカプセルγECO」を組み合わせた不織布を使用しており、「ベンベルグ」の吸放湿性による湿気コントロール機能により、汗によるムレ感を軽減する。また、再生ポリエステルと再生セルロースの使用率は合計97%となる。
 今後は、日本と中国で生産を開始し、今後、ベトナムや欧州での生産体制の構築を進める。その他、3つのサブブランドを、国内および海外の2026年秋冬シーズンのアウトドア・
 スポーツ、カジュアル向けとして販売を開始し、「THERMOFRONT」シリーズで2025年度に30万m、2028年度に100万mの販売を目指す。
 今後もさまざまなニーズに応じた「THERMOFRONT」シリーズの拡充を図り、幅広いライフスタイルに適応したソリューションの提案を目指す。

サーモフロントシリーズを中綿に使用した製品例

サーモフロントシリーズを中綿に使用した製品例

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