東レは、9月25日、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「トレリナA660HV」において、UL規格に基づく長期耐熱性指数を示すRTI:200℃(0・70mm厚)の認証を新たに取得したと発表した。これにより同製品は、CTI:600V(IEC規格材料グループI)とRTI:200℃を両立する世界初のPPS樹脂材料となり、パワー半導体製品など高耐圧・高耐熱が要求される用途へのさらなる展開を進める。
同社はこれまで、優れた耐電圧特性を有する「トレリナA660HV」を、パワー半導体モジュール用途を中心に販売してきた。しかし、半導体デバイスに関するUL規格UL1557の改定(2026年2月)に伴い、ハウジングに用いられる樹脂材料としても半導体製品の耐熱温度と同等のRTI取得が必須となるため、業界全体での対応が急務となっている。
これに対し同社は、PPS樹脂に自動付与されるRTI:130℃に加え、同製品でRTI:200℃での認証を取得した。これにより、高電圧・高温環境下で使用されるパワー半導体モジュール用途への提案が可能となる。
今後、同製品を直流送電システム・再生可能エネルギー周辺に用いられるパワー半導体モジュールなど、高耐圧化・高耐熱のニーズが高まる用途への提案を進めていく。
同社は、今後も先端材料・革新技術の創出と共に、市場のニーズに迅速に対応することを通じて、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでいく。
2025年09月29日
