ホース商社特集 ホース商社アンケート 回復傾向も先行きは不透明

2025年10月06日

ゴムタイムス社

 ホース商社はメーカーと協力し合い、エンドユーザーの幅広いニーズを的確に捉えつつ、商品のみならず情報の効率的な流通に寄与し、ホース産業の発展につなげてきた。
 弊紙では各地のゴム商業卸組合などに加盟し、ゴム・樹脂ホース製品を取り扱う商業者に景況感を尋ねるアンケートを年2回(春と秋)に実施している。
 アンケートでは、25年1~6月の売上実績、25年7~12月の売上予想、25年1~6月のホース製品の価格動向、25年7~12月のホース製品の価格予想、25年年間のホースの需要予想、今後需要の伸びが期待できる業界、販売上の懸案事項の設問項目を用意した。
 25年1~6月の売上実績(対前年同期比、以下同)の問いでは、「やや上昇」と回答した企業が41・7%で最多となった。次いで「横ばい」「やや下降」が25・0%、「下降」が8・3%だった。「上昇」と回答した企業はなかった。
 前回調査(25年4月発表)の24年下期(7~12月実績)では「やや下降」が41・7%で最多回答となったのに対し、今回調査では「やや上昇」が最多の回答となった。
 25年7~12月の売上予想(同)に関する設問では「やや下降」と回答した企業が41・7%で最多となった。次いで「横ばい」が25・0%、「やや上昇」が16・7%、「上昇」「下降」が8・3%だった。
 ゴム・樹脂ホースの需要先をみると、国内では半導体製造装置向けの需要が足踏み状況が続いている。一方、河川工事や再開発工事に使われることの多いサクションホースは、24年(昨年)のような大型工事案件がなかったものの、災害復旧工事や都市部における再開発工事などが堅調に推移している。また、停滞感があった建設機械向けもここにきて需要は回復傾向ある。こうしたことも今回の結果に反映されたもようだ。
 ホース製品の価格動向の推移を見ると、25年1~6月のホース製品の価格動向(同)は「横ばい」と回答した企業が75・0%で最多となった。次いで「やや上昇」が25・0%だった。「上昇」「やや下降」「下降」と回答した企業はなかった。「横ばい」と回答する企業の割合が増え、「やや上昇」と回答する企業が減った。
 また、25年7~12月の価格予想も(同)「横ばい」と回答した企業が75・0%で最多となった。次いで「やや上昇」が16・7%、「下降」が8・3%だった。「上昇」「やや下降」と回答した企業はなかった。ホース製品の価格動向に関しては、原材料価格については、一時期のような上昇局面は落ち着いているものの、価格はいぜん高止まりが続く。こうした原材料費の負担増とともに、電力やガスなどユーティリティ費用、労務費上昇も続いている。さらにホースメーカーは原材料の廃番対応にも苦慮する。製品の安定供給を維持しつつ、顧客のニーズに応えた新製品開発を続けていくためにも、メーカーでは価格対応はもちろん、製品品目の見直しなどを進める動きが広がりそうだ。
 25年年間のホース需要の予測に関する設問では「横ばい」と回答した企業が50・0%で最多となった。次いで「減少する」が41・7%、「伸長する」が8・3%だった。
 前回調査では「横ばい」と回答した企業が75・0%で最多。次いで「減少する」が25・0%だった。「伸長する」と回答した企業はなかった。前回と比較すると「減少する」と回答する企業の割合が増加し、「横ばい」と回答する企業が減った。前回調査からホース市場の景況感にもやや陰りがみえる。
 また、今後需要の伸長が見込める業界の問い(複数回答可)では、「建設機械関連」と回答した企業が33・3%で最多となった。次いで「半導体設備関連」「土木建築関連」「食品産業関連」が25・0%、「自動車産業関連」「住宅産業関連」「化学産業関連」が8・3%と続いた。
 販売上の懸念事項(複数回答可)についての設問では、「競合先が多い」「価格競争が激化している」と回答した企業が41・7%で最多に。次いで回答が多かったのが「粗利益率が低い」「物流問題」で25・0%、「ネット通販企業の台頭」「取引単位が小口になっている」「その他」が16・7%と続いた。価格競争への意識の高まりとともに、物流改革への取り組みを迫られる各企業の苦悩がうかがえる結果となった。[/hidepost]

全文:約1782文字

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー